岩場でのマナー

2005.4.25. YMCC学習会

 私達はクライマーである前に、良識をもった大人の社会人です。岩場でのマナー(行儀・作法)といっても、一般常識の事柄です。アルパインクライミングやフリークライミングを練習するゲレンデは、自然の岩場ですが、その土地の持ち主は存在します。人の土地を借りて使わせてもらっていることを、常に心に留め、クライマーは紳士・淑女のモラルをもち、地元の人に迷惑をかけないようにしましょう。

 道場駅周辺岩場において、植物採集が発端となり、地元の方から入山禁止の問題が出されたため、2003年5月11日に、道場エリアの各アプローチ付近に下記のような看板が設置されました。

神戸市北区道場駅周辺を利用のクライマーの皆様へ
 地元の方々は皆様がこられて、木を勝手に切ったり、植物を採集したり、ゴミを捨てて帰ったり、トイレの後始末をしないので、問題にしています。今後、岩場に限らず、山にも立ち入れなくなるかもしれません。そのため、各個人で以下のことを実施下さい。
1、 山の植物、作物を切ったり持って帰ったりしない。
2、 ゴミは持ち帰り、他人のゴミも回収する。
3、 トイレは必ず駅で済ませ、山の中ではしない。する場合も駅に戻る。
4、 エリア周辺の道路上に駐車をしない。駐車スペースがない場合は、駅前の有料駐車場などを利用する。(できる限り、電車などの公共交通機関を利用する。)
5、 山の中では焚き火はせず、煙草などの火の不始末に十分注意する。利用者は地元所有者の厚意に感謝し、周辺環境に配慮する。
関西の岩場を愛するクライマー有志より

その他、当然の事柄ですが、あげてみます。
@ 事故を起こさない。起こした時は、自分達で処理し、持ち主の人に迷惑のかからないようにする。
A キャンプ指定地以外でテントを張らない。
B ロープ、ヌンチャクなどギアの残置をしない。
C 地元の人に会ったら、挨拶をする。地元の施設や商店などを積極的に利用する。
D 岩場に着いたら、絶対に落石をしない。落石をしてしまったり、落石が起きたことに気がついたら、大きな声で「ラクッ」と叫び、周りにいる人に危険を知らせる。休憩をする時は、危険の無い場所を選ぶ。

学習会での意見
● トップロープを張ったままにしない。
● ルートは譲り合いをしよう。

登攀禁止になった岩場 〜奥多摩・御前岩〜
 1985年から1987年にかけて、多くの最先端のフェースルートが拓かれ、一躍注目を集め、日本を代表するエリアとなりましたが、1988年2月、突然登攀禁止になりました。焚き火の後始末が悪い、立ち木を伐採する、飲料水源に糞尿をたれ流す、落石の危険がある、マス釣場の駐車場を使用するので、その営業に差し障りがある、という理由でした。地元にとって岩場は石灰岩という資源ですし、マス釣場は大切な観光施設です。その後、クライマーの代表者が交渉にあたりましたが、御前岩は戻りませんでした。

(参考文献・ヤマケイアルパインクライミング他)

back


home