雪と 岩の ミックスジュース

中級冬山登山学校 西穂高岳
1997.10.31.〜11.3.

 10月26日のダイトレ、29日の開校式、そして2日後、西穂へと、息をもつけずのスケジュールをくぐり抜けて、半分借りものの装備で、こんな私でいいのかな?と、恐るオソル、バスに乗る。(21:00)

11月1日
 まだ、真っ暗の上高地バスセンターで、ヒューヒュー雪混じりの風に踊らされながら、パッキングを済ませて出発する。(6:00)
 田代橋を渡る頃には明るくなり、登山道へ入る。やいなや、誰も踏み入れてない雪の上を赤テープを頼りに、私達生徒4人で先頭を交代しながら、歩んでゆく。自分自身が第一歩を印してゆくことはすごく快適で気持ち良いのだけれど、すぐさま、しんどくなって、男性陣にお譲りする。標高が上がるにしたがい、雪も深くなり、50cmは超えているだろうか・・・
 西穂山荘に着くと、小屋に入ってもいいとお許しがあり、ホットミルクでホッとする。(11:30)
 テントを設営して、少しお散歩と独標に向かったが、すごい風で飛ばされそう・・・ 視界はきかないし、ただタダついてゆく。途中、ハイマツの上(?)で滑落停止の練習をして、引き返す。

11月2日
 満天の星空を仰ぎながら、今日は快晴になりそうなうれしい予感で出発。(5:00)
 1時間も歩くと、日の出とともに雪面がキラキラ輝きだして、少しだけ茶色の羽を残した雷鳥が迎えてくれる。独標からは、コーチの先導で歩く。(6:20)
 「真後ろ歩けよ」「ピッケル離して」と注意を受けながら・・・岩の上をアイゼンで歩くと、キュッと音がして身震いしながら・・・
 西穂の頂上からは、遠く富士山を眺め、一ヶ月前に登った黒い錫杖岳を後ろに、そして真っ白な槍ヶ岳も現れて、「ウァ〜」と思わず歓声をあげてしまった。(8:40)
 復路は女性の生徒2人にハーネスをつけて、慎重に下る。まさに、行きは○○、帰りは××。(9:00)
 テント場に戻り、一息ついて、ビーコンを教えていただく。(12:00)
 「真ん中から直角に」って、自分自身は直角に歩いているつもりなんだけどなぁ〜 もう1人確認する人がほしいとご助言いただく。

11月3日
 昨日の晴天でたくさんの人が登ってきたこともあり、かなり雪が融けている。一昨日、我々の作ったルートを下る。(6:50)
 途中、回転レシーブをしてしまったが、命の水に山のおいしさを全て吸い込んだという爽快感も加わり、気持ちが満ち足りてくる。
 バスセンターに着き、振り返ると、真っ青の空に真っ白な連峰がそびえている。(9:20)
 「おかげさまで無事下山できました」と感謝いっぱい! そして、上高地ホテルの温泉と食事にトロケそうになってしまった。

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