六甲山無限大なる初御空

塩屋駅〜市ヶ原
2018.1.3.

 今冬は極寒!昨夏に続き天候不順。世界中天候不順。大寒波。
 し・か・し、MLでM本さんの六甲山行が送られてくると、ウズウズ…と、自然現象?私も行きたい!となってしまった。
 昨年六甲山行後、NHKブラタモリで六甲の地形の番組あり、フムフムと。今年は布引ダムまで行ってみよう。

満月に吸い込まれていく三が日
 真っ暗の中ぼんやり満月、5:23始発近鉄に乗っても、JR大阪6:52、JR塩屋7:52だった。
 塩屋駅海抜0mは、やはり防波堤のところ。途中須磨駅は海岸沿いだったので、次回は須磨駅から歩こう。しっかり海に足をつけてから歩ける!だんだん妙なことにこだわるようになった。変なところで頑固になった?
 8:00 閉店している駅前を抜け、毘沙門天の道標に導かれて行く。

 源氏物語より、この六甲縦走の起点は源平古道とも呼ばれ、光源氏が26才の時中央政権からの追放を予期し、自ら須磨に退去。ぎりぎり京都の中央政界への復帰の可能性を期待できた場所とされている。(ブラタモリより)

 8:10 門松を飾っている山王神社に手を合わせて、登山道へ入る。登山口3℃。昨年は8℃だった。5℃違うだけでこんなに寒く感じる。ウインドブレーカー着て歩く。

 8:30 須磨浦山上遊園の水の出ていないふんすいランドのアーチから明石海峡大橋にさんふらわあフェリー、淡路島を望む。 空気は冷たいけど、青空!フゥー深呼吸!閑散としているが、赤い山茶花や黄色蝋梅は昨年と同じように咲いている。

 六甲山地、明石海峡、淡路島はもとはひと続きだったが、強い力が加わる交点付近が崩れ、海水が入り明石海峡ができた。そのため海流の流れが速くなり、神戸港の西に和田岬を形成し、神戸港に穏やかな波をもたらした。 六甲山地は急峻のため土砂を運びにくく水深が深く、強風を防ぎ、神戸港が良港となった。(ブラタモリより)

 8:40 旗振山(252.6M)から和田岬を確認。人工のポートアイランド、神戸空港。須磨の浜辺がキラキラ!振り返ると明石大橋と淡路島の絶景! ここは摂津の国と播磨の国の境で、江戸時代、大きな旗を振って大阪堂島の米相場を岡山に伝達していた中継場所だったことから旗振山と呼ばれている。
 鉄拐山は昨年登ったので、ウメバガシ樹林帯をトラバース。
 舗装道路になって、おらが山と3F建ての立派なおらが茶屋ビル。針の穴からも神戸港を確認し、興ざめするところはサッサと過ぎる。
 高倉台住宅街への日陰になる細い階段をガンガンガンと下り、日当たりの階段をガンガンガン登る。昨年よりめげずに登れたかな?
 9:30 栂尾山(274M)へ来ると花崗岩っぽくなり、須磨アルプスの予感。振り返ると、明石大橋が少しぼんやり。
 横尾山(312.1M)の二等三角点にタッチして下ると、馬の背を見下ろし下り階段。

むき出しの須磨アルプスに冬の風
 10:00 須磨アルプス馬の背は吹きっさらし。今日は風が強い。冬の風だわ!昨年はスゴイ人人人だったが、今日はポツリポツリ。
 この痩せ岩稜・奇岩がこの大都会神戸に、この六甲の真ん中に鎮座していることに今更ながら感心する。やはり『名勝・馬の背』

 10:10 東山(253M)から須磨アルプスを振り返る。

遠き世の方在しますや山の辺に月落ちぬれば声も聞こゆらし
 東山は明治までは天狗山と呼ばれ、横尾山、東山、高取山は天狗が支配したと言い伝えられている。 やがて月が落ち、下界が暗闇になれば峰峰を伝う天狗たちの高笑いの声も俺アの耳に聞こえて来るに違いねエ。東山昔話石碑より

 妙法寺住宅街へジグザグに下る。途中、追い越した常連らしきおじさん二人から、「どこまで行くんや、新神戸か?その足やったら5時には着く、大丈夫や!」と。
 エッ?ドキッ!5時では遅い。下山4時と山行届してあるから、急がないと!
 階段を下って阪神高速をくぐり、妙法寺小学校横を上り、右折して野路山公園横のフェンス沿いから登山道。昨年とは違う大回りしてしまったような…。

 《 535 MAY 》

 11:20 高取山(319.9M)。荒熊神社の赤い鳥居が並んでいる。海が見えるプチ伏見稲荷みたい。空気は冷たいが、太陽眩しい一等三角点の前、レトロのタイルのベンチでホッ!いつものランチパック休憩。
 11:30 月見茶屋、安井茶屋トイレ前からは六甲っぽい自然歩道。エッ?ウソ?アラレ?
 住宅街へ下るとミゾレになる。一応、傘をだしたが、私の前をトレランの男性がいて、先ほどのおじさんの言葉がスゴク気になり、傘をすぼめて登山靴でドタドタ小走り。
 住宅街からは六甲全縦の案内を見落とさないよう神戸電鉄高架下、西神戸有料道路をくぐり、鵯越駅(134M)。

 12:00 鵯越駅になるとまた青空。変なお天気。駅裏から山道、舗装道路になりポンプ場、石井ダムを横目に登山口へ。
 賑やかな声は菊水ゴルフ場から聞こえる。と思ったら、先ほどのおじさん二人が横道からバッタリ。エッ?なんで?
 なんでかな?と思いながら、ゆっくり話す時間はないので、ガンガン登る。
 後日、六甲知り尽くしのM本さんにお聞きすると、近道はなく、菊水ルンゼ直登があるというが、縦走路より速いルートはないと。自分ではガンガン小走りしたつもりでも現実はスピード速くなかった〜錯覚・思い込みはコワイ!
 昨年と同じ大岩のところでやはり休憩。ワッフルエネルギー補給してしまった。一気には登れない。

菊水山森閑となり冬眠す

 13:10 やれやれ菊水山(458.8M)。塩屋から約5時間。昨年は6時間だったからよく頑張った! (まぁ、今回は鉄拐山トラバース、高取山は三角点までだった)
 やはり今日は風が冷たく寒い!風の当たらないところでバームクーヘン休憩。昨年は賑わっていたが、今日は誰もいない。先ほどのおじさん二人もまだ来ない。冬の山、眠っている山の雰囲気がジワリ漂う。
 天王吊橋へガンガン下る。まだ?まだ?一本道だし、方向は間違ってないけど、まだ?
 やっと吊橋。R428の車ビュンビュン走る有馬街道の上をルンルン渡って、鍋蓋山の上りへ。
 急登が終わっても頂上はまだ先。鍋のような山だから、フラットになってからが長い。

 14:10 コースタイム10分縮めて、鍋蓋山(486.2M)。トレランの若者が行き交う。冬の日差しが弱々しい。 でも風もなくなったので、ゆっくり栗ドラ休憩。ここまでくればもう安心!ホッ!
 ポートタワー神戸港、神戸空港、そして淡路島、明石大橋まで見渡せて、海が光っている。
 足の爪がチョット痛い。ストックで下ろう。無理はしない。大龍寺まで下ると、舗装道路になり、もう山ではない雰囲気。
 15:00 市ヶ原では寒いのにバーベキューパーティの人たちがいる。桜茶屋でトイレ休憩。

冬枯れや布引の水たっぷりと

 布引貯水池から布引断層へ。縦になっている地層をじっくり鑑賞。
 布引五本松ダムは1900年に完成した日本最古の重力式コンクリートダム。2006年に近代化遺産『布引水源地水道施設』の一部として国の重要軍家財に指定され、近代水道百選。 石積をそのまま残した外壁と古典様式のテンテル(歯飾り)はヨーロッパの城壁のごとく、さすがに世界のKOBEを思わせる。 橋げたが見えているが、景観は美しく、飲料水となる水はたっぷり溜められていた。

 六甲山地は急峻で川の流れが速いため、不純物(有機物)を多量に含まず、布引貯水池まで流れ着く。船舶で長期保管しても腐らず、ミネラル(無機物)を適度に含む硬度30mg/lの軟水。(ブラタモリより)

 重要文化財の谷川橋(かずら橋みたい)を見ながら、布引雄滝。思っていたよりスゴク大きい。ビックリ!
 重要文化財の雌滝貯水堰堤も鑑賞して、急坂を新神戸駅へ下った。16:00
 できるだけ海抜0M近くまでと、JR三宮駅まで神戸牛・神戸ラーメンの香りに惑わされず歩く。 ドンピシャ!ぎゅうぎゅう詰めの新快速に乗れた!
 霰、霙もあったけど、空いっぱいにオレンジ色の夕焼けが広がっていた。感謝!

三日はや落暉に希望膨らまし
 8時間、年末からの変な腰痛と足の爪も痛くなってしまったけど、有意義な8時間だった。新年早々、自発的でなく先輩に刺激されて来た。それでも良かったと思う。
 昭文社山と高原地図コースタイムの0.8〜0.9で歩いているが、休憩があるから結局同タイムになっている。心して歩こう。ボォ〜ッとほっこり休憩したいし〜な。
 時々、山へ行かない人が多いこの会にいる意味があるのかな?とフッと考えたりするけど、まだまだ行く人は行くのだから!山へ行きたいのだから、遠慮しないで行こう!今年も行こう!

●JR大阪6:52-JR塩屋7:52
 JR塩屋8:00…旗振山8:40…栂尾山9:30…馬の背10:00…東山10:10…11:20高取山11:30…鵯越駅12:00…13:10菊水山13:20…14:10鍋蓋山14:30…市ヶ原15:10…布引貯水池15:30…16:00新神戸駅
 JR三宮16:37-JR大阪16:58
●JR鶴橋-JR塩屋920円、JR三宮-JR大阪410円

(2018.1.21.記)

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