塩見岳岩峰そよぐ秋の風

2017.9.25.〜26.

 今年は8月末から、スゥーと涼しくなったような…、やはり少しでも早く涼しくなってくれたら、全然違う。 そう、my環境も!これなら山中1泊行けそう!
 大病されたKさんも言っていたが、グチグチ考えていたらどこへも行けない!
 10月に入ると、ユネスコ登録初めて秋祭り会議日程が入っているので、9月のうちに。また雪が降る前に行きたいなと!

虫時雨寄せては返す心かな

 16:00 前夕日曜日に家を出る。日曜日はトラックが少ないので気が楽。
 鈴鹿周辺はやはり渋滞だったが、順調に名古屋環状〜中央松川IC〜R51のダム横をグネグネ通って、工事中のトンネルもある舗装山道を。
 鳥倉林道へ入ると、ヒェー!スゴイ舗装の急坂。真っ暗の中、鹿や熊が出てきたら困るので、プープー警笛鳴らして走る。(真夜中、鹿が鳴いていたという)
 まだ、まだ、という感じでヘアピンカーブを何度もガンガン登り、やっとこさ鳥ヶ池キャンプ場、そしてすぐに鳥倉林道ゲート駐車場(1666M)に着いた。 ウヒャ―!一気に伊吹山より高いところまで車で登ったのだ。my PASSOちゃん、よく頑張ってくれた、サンキュ!
 21:00 Pには半分くらい駐車。変な止め方の車もあったので、やはり土日は混雑していた模様。月曜日にしてよかった。半月の明かりで薄明るい。

9月25日(月)晴れ
 4:30 まだ暗い。あまり眠れなかったけど、目覚ましで起きる。ヘッドライトで出かける人たちがいる。
 5:10 薄明るくなって出発。登山届も提出して、舗装の林道を歩く。
 5:50 島倉登山口(1780M)には岩石の説明やベニヒカゲなど高山蝶保護の看板があった。
 いきなり急登。三伏峠までの標識が1〜10まであるけど、1/10まで20分もかかってしまったよ。でもそれからは順調。秋の花が迎えてくれる。

 紫のコウシンヤマハッカは登山口近くにいっぱい。
 白いサラシナショウマも群生してゆらゆら。黄色・ミヤマアキノキリンソウも今年最後を頑張っている。
 部分的にある細い丸太の桟道は乾いているので安心。整備の心づくしに感謝。
『ほとけの清水』で少し汗を冷やし、通行止め表示の塩川分岐(2440M)では左に鳥倉山が見え、やがて右に甲斐駒と仙丈も。もうウキウキ!
 斜面には白いヤマハハコウメバチソウ。足元のゴゼンタチバナはすでに赤い実をつけている。
 三伏峠小屋手前で27人のツアーとすれ違う。リーダーはヘルメットを持っていた。ご苦労さまです。
 小屋まで200歩との看板あり、数えると私は220歩だった。
 8:10 三伏峠(2615M)。日本最高点の峠とか。雁坂峠、針ノ木峠と日本三大峠の一つ。小屋前の木のベンチで休憩 。白樺が黄葉色づいている。気持ちいい!

大空に包み込まれて秋日和

 8:30 テント場横からシラビソの樹林帯を過ぎると、ハイマツに囲まれた三伏山(2615M)からは絶景。塩見岳がドーン!素晴らしい!オレンジ色の紅葉が始まっている。
 三伏山から仙丈、北岳。
 三伏山から中央アルプス、乗鞍、北アルプス槍穂高連峰。

 9:30 本谷山(2658M)から塩見岳はますます大きくかっこいい!右を覗くと、富士山のさきんちょ!ウワッ!カンゲキ!
 立ち枯れの林から鞍部へもったいないくらいに下って、権右衛門山をトラバース。シラビソの原生林はとても美しく気持ちいい!
 11:10 ゴーロの直登を登って、塩見小屋(2760M)。1泊2食付き8500円。受付を済まして、少し軽くして、塩見岳へ。

 11:30 稜線に出ると、真正面に急峻な天狗岩と塩見西峰。紅葉黄葉が始まっている。右のハイマツ帯と左の黄葉のコントラストが美しく、その上に岩峰。凛々しい!見惚れてしまう!
 天狗岳への急斜面をジグザグに登って、赤石山脈である赤い岩場チャートを超える。落石注意の看板が見えて、ヘルメット着用。念には念を。 黄色ペンキ矢印に正確に従い、天狗岳をトラバースして西峰の岩場を登る。足場はしっかりしている。2級程度、久しぶりだから慎重慎重!
 コケモモの赤い実、深紅に染まったウラシマツツジが岩に映えている。白いイワツメクサやトウヤクリンドウも見つけ!
 やはり3000M超えると、空気が薄いのか途中で休憩。若い頃は感じなかった高度順応に鈍くなってきた感じがする。 先日の仙丈から大仙丈もそうだったな。
 12:40 塩見岳西峰(3046.9M)。東に雲がかかり始めて、富士山が…。 三角点は西峰にあるから東峰より低いけど、塩見岳標高は西峰の3047Mになる。へぇー!

 12:50 稜線2分歩いて、塩見岳東峰(3052M)。雲が富士山を隠したり現したり…。荒川、赤石、その横は聖、奥の光岳にも雲が…。 メチャクチャ大きな山域。行きたいな〜。
 東峰から西峰を。右は仙丈ヶ岳、甲斐駒ヶ岳に雲が少しかかっている。
 仙塩尾根から間ノ岳へ、その左奥は北岳。
 荒川岳、赤石岳、ぽちっと聖岳。その奥は光岳。

 ボケーッと眺めていて、この身がスッーと洗われていく感じ。幸せな時間に浸る。
 13:30 慎重に岩下りをして、小屋へ。
 14:20 塩見小屋は昨年新築。現在、伊那市と裁判中。今夜は14人。梯子の2階になっていて、私は1階。 ドアは3度閉めるようになっていて、フカフカ寝袋と折り畳み銀マット。暑いくらい。 隣の横浜のご夫婦は、昨日三伏峠小屋は3人でスゴク寒かったけど、ここは人が多くて暖かいと。 標高ではなく、人の多さで違うのかな。

 17:00 夕食はハンバーグ+じゃがいもカレー炒め+卵スープ+ゼリー。ご飯とスープはおかわり自由でおかわりする。 それなのに、夜中なぜかのどが渇き、何度も水を飲んだ。まだ水分足らなかったのかな。
 トイレは便袋式携帯トイレで、女性は2枚支給。それ以外は1枚200円で購入。 トイレは真っ暗だけど、ペーパーもあり、なかなかきれい。捨てるboxがあるので助かった。 以前、高妻山避難小屋での持ち帰りはたいへんだったから。

夕焼けに今日の私をしまわれて一緒に沈みゆくような刻

 3000Mの夕焼けも半月が残ったまま、赤く染まりきれいだった。


9月26日(火)晴れ
 明け方、オリオンがドーンと大きく、斜め上に六つ星も見える。やはり下界とは違って澄み切っている。
 6:00 ご来光まで待てず、下山。本谷山に太陽があたり、紅葉が映える。きれい!
 本谷山、三伏山と美しい森を満喫しながら下山。

紅葉の上に浮かびし塩見岳

 三伏山では塩見岳の見納めと振り返ると、ナナカマド色づく上に塩見岳が展望。美しい!一日で紅葉スピードアップ!
 右奥は農鳥岳と間ノ岳。

マツムシソウつつむ日差しの柔らかく
 8:30 三伏峠小屋から烏帽子岳へ途中のマツムシソウのお花畑を見に行く。 ここも鹿除けフェンスがあり、マツムシソウが残り花を頑張って咲かせていた。奥のぼやけている山は塩見岳。
 黄色のキオンが一輪。秋の弱々しい陽射しを今日限りのように浴びていた。隣にミヤマシシウドはすでに倒れて。 烏帽子岳への道はかなり崩落が進んでいた。
 10:30 三伏峠小屋へ戻り、気持ちいい樹林帯をガンガン下り、鳥倉登山口。
 鳥倉登山口から、昨日の三伏峠から後先歩いていた滋賀のご夫婦と話しながら林道を歩く。
 毎週山へ行っているという。今夏は天候不順だったので、9月に入ってからペース上がったとか。 7月は畑薙から千枚と赤石2泊で悪沢赤石縦走話聞き、来年は私も!空木も日帰りでとか。 あなたの脚力なら軽く行けるよ、百名山は平日でも人がいるから安心と。脚力維持はやはりランニング重要。何もしないと衰えるからね。
 11:00 鳥倉林道ゲート駐車場へ無事下山。車はとても少なくなっていた。

 12:00 帰り道、塩の里にて塩見という名の由来、『山の塩』の説明を見て、鹿肉のジビエカレー(850円)と行列のできる飯田上海楼にて中華そば(650円)。 鹿肉は小さく、中華そばは麺ばかりでイマイチに思ったが、おなか一杯過ぎて、オレンジジュース、ノンアル、小屋のお茶、コーヒーを次々と飲み干す。
 中央飯田IC〜一宮IC〜名四と平日は名古屋環状を避けて、四日市へ仕事寄り道して、順調に19:00帰宅♪みなさま感謝!

 いい山旅だった。
 最初の急登20分かかった時はどうなるかと思ったが、きつかったのは最初だけ。 『美しの森』と言われているだけあり、樹林帯も気持ちよく、ガスッているとやはりやばかったかも? やはり晴れの日に行くべき!リスクが違う。
 小屋は2食付きにしてゆっくりできたこともありがたかった。 今まで素泊まりだったが、小屋事情を考えると、割高でも2食付きにして小屋存続の協力をしていきたい。
 やっとマイペースでストレスなく自由に行けるようになったね!感謝!

感謝して自由といふ名の花野かな


●9/24 自宅16:00=名阪=中央=松川IC=県道59=鳥倉林道ゲートP仮眠21:00
★9/25 P5:10…鳥倉登山口5:50…豊口山分岐…8:10三伏峠小屋8:20…8:30三伏山8:40…本谷山9:30…11:10塩見小屋11:30…12:40塩見西峰…12:50塩見東峰13:30…14:20塩見小屋
★9/26 塩見小屋6:00…本谷山…三伏山…8:30三伏峠小屋…8:40お花畑…三伏峠小屋9:00…鳥倉登山口10:30…P11:00
●P=12:00塩の里12:40=飯田14:00=中央飯田IC=一宮IC=R155=名四=四日市17:30=名阪=自宅19:00
●ETC休日3割引:東名阪亀山=名古屋西1110円、名古屋第二環状360円+330円、中央小牧=松川2180円、中央飯田=一宮2980円(計6960円)
●ガソリン代3730円(@128円)280km×2
●水500ml、ポカリ500ml、お茶350ml、計1350ml持参。小屋で煮沸必要水500mlと朝食のお茶350mlいただく。
●出発時ザック7.5kg。

(2017.10.1.記)

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