カール抱く仙丈ヶ岳や夏深し

2017.8.27.

 今夏は天候がはっきりせず、なかなか行く決心がつかなかった。悪天候はやはりリスクが大きいから。
 8月最終日曜日、やっと恵まれそう。

 前日16:30 家を出る。名阪-東名阪-名古屋環状-中央と順調!
 20:00 飯田付近では花火大会。また駒ケ根でも。ICからR15からも良く見える。
 今年は地元花火がなかったから超ご機嫌!と喜んでいたら、花火大会で迂回させられる。 ナビ通りに舗装の林道に入るが、熊さん出てきそうなスゴイ山道。 警笛鳴らしながらなんとか乗り越え、R251から仙流荘無事到着。21:00

明日からの道を招ひて天の川
 バス停近くの駐車場は8割程度で空きあり。真っ暗だから満天の星空。あっ!流れ星!
 すぐ就寝。車内締め切るとメチャ暑い。少しだけ窓を開けるとスゥーとして涼しくなり、熟睡。 しかし未明は寒くなり少し風邪ひいたかな。夏用シュラフ持ってきてよかった。

 4:00 隣の車でガサガサして目が覚める。もう〜(>_<)
 4:30 でも駐車場の電灯が明るく、外に出てみると、リュックの人がバス停の方へ歩いていて、もしかして土日の噂の臨時便? バナナだけ食べて準備してバス停へ行くと、すでに長蛇の列。ヒェー!
 5:05 やっと薄明るくなって、臨時便の3便バスに乗る。バスは急勾配をグングン登る。 やがて左側に鋸岳、甲斐駒、右側に仙丈が見えてきた。 甲斐駒のガラス窓も見える。バスドライバーはこまめに停車して丁寧に案内してくれる。

 5:50 北沢峠着。バスを降りた瞬間、ひんやりしてアルプスの高原、深山の趣にイメージチェンジ。
 6:00 ウインドブレーカーを着て出発。 シラビソやダケカンバの立派な林の中、南アルプスという実感。高揚感が抑えられない。

 7:10 大滝の頭。藪沢と小仙丈ヶ岳との分岐。北沢峠から5合目という標識あり。

 7:30 6合目に来ると、ハイマツ帯になり、視界が開け、オベリスクが見渡せる。 その横、ひょこんと小さな富士山も現れてくれた。ますますテンションup!
 逆光の幻想的なシルエット、オベリスクの鳳凰三山、ドデカイ白峰三山を楽しみながら高度を上げる。

 8:20 小仙丈ヶ岳(2855M)ではスゴイ展望に恵まれた。ワッ!北岳の長い稜線の先に富士山!
 伊那谷を隔てて、中央アルプス、その後方に御嶽、乗鞍、穂高槍連峰から立山連峰まで。 手前は黒い八ヶ岳、鳳凰三山、そして富士山、北岳、間ノ岳の日本最高峰1.2.3.の揃い踏み。 これから向かう仙丈ヶ岳の小仙丈沢カールが美しい。さすがに南アルプスの女王と呼ばれる山だけあり、カッコイイ!

 大きく横広がりに裾を延ばしている北岳に見守られて、目指す仙丈ヶ岳を見ながら、気持ちよい広い尾根道を登っていく。

快晴や光に揺るるイワツメクサ
 足元にはイワツメクサがメチャかわいい。癒されるぅ〜。
 ナナカマドの実が赤く染まりかけている。絶景の稜線歩き。ラスト、岩の階段を登って。
 9:30 仙丈ヶ岳(3032.56M)。

 眼下、藪沢カールを見下ろすと、仙丈小屋。その先には峻厳な稜線の甲斐駒ヶ岳と鋸岳、 その彼方には八ヶ岳連峰、さらにその先には浅間山のさきんちょ!

 ドーンと中央アルプス、その後方に御嶽山、その奥に白山がうっすら。

 ドアップで、北アルプス槍穂高連峰も、槍はとんがっているのでよくわかる。

 東から南にかけて南アルプスの山々、鳳凰三山、彼方に富士山、そして白峰三山。

 大仙丈ヶ岳の向こうには塩見岳、荒川岳、赤石岳、聖岳、光岳と遥かに深奥部まで見渡せる。
 9:50 人いっぱいの仙丈ヶ岳を離れて、大仙丈ヶ岳へ。

 稜線はスゴイお花畑!うれしいビックリ!

 黄色・コガネギク
 紫色・センジョウアザミ
 紫色・タカネシオガマ
 白色・コバノコゴメグサ

       黄色・ミヤママンネングサ
       紅色・イブキジャコウソウ

       ミネウスユキソウ

       白色・トウヤクリンドウ
       紫色・チシマギキョウ

 紫色・チシマギキョウ
 白色・タカネツメクサ
 紅色・イワベンケイ

整列すチシマギキョウの心意気
 特にチシマギキョウの紫の群生がスゴイ!皆同じ方向に整列して咲いている。 花期も終盤なのに、思っていたよりたくさんのお花に巡り会えて超ゴキゲン!
 お花畑を過ぎると、切り立った岩の稜線を登り返していく。 3000Mを超えると、空気が薄いせいか、途中で少し休憩。男性一人とすれ違っただけ。

 10:20 大仙丈ヶ岳(2975M)。
 賑わう仙丈ヶ岳とは対照的に静寂の時間。大展望の独り占め。 南側から見る仙丈ヶ岳と大仙丈カールも美しい。 バカ尾根と称される仙塩尾根の向こうに塩見岳。できれば今シーズンには行きたいが…
 誰もいなくてセルフタイマーで撮ったので、どちらも首傾げてしまっている(*_*;

 11:10 一人の時間を満喫して、仙丈ヶ岳へ戻る。仙丈ヶ岳はまだ人盛り。富士山は雲に覆われて。

 仙丈ヶ岳から西尾根へ、カールへ、岩礫の斜面を下る。チングルマは集団で綿毛をなびかせている。
 お花がところどころ残っていて、気持ちよく下れる。
雲の影速し夏嶺の大カール
 11:40 仙丈小屋の木のベンチで、仙丈ヶ岳と仙丈カールを見上げながら休憩。
「今日はこの夏一番の快晴!」と、小屋の人はうれしくてうれしくて休憩するみんなに話しかけている。それだけ、今夏は史上まれにみる悪天候続きだった。
 11:50 仙丈小屋の水場は枯れていると聞いていたが、小屋を少し下ると、細い流れの水場あり。チョロチョロだが、ペットボトル500mlいただき、メチャありがたかった。
       黄色・ウサギギク
       紫色・ヨツバシオガマ
       白色・イブキトラノオ

 ハイマツ帯からダケカンバの林になり、黄色・マルバダケブキはもう夏の勢いはなく。お花畑は鹿除けフェンスに守られて、ウサギギク、ヨツバシオガマ、イブキトラノオ。
 12:30 馬の背ヒュッテへ下り、分岐から藪沢へ甲斐駒ヶ岳を真正面に見ながら、太陽を背に下る。

       紫色・タカネグンナイフウロ
       白色・トリアシショウマ

       シナノオトギリ

 沢のゴーロを下ってゆくと、日にあたって沢沿いのお花畑が楽しい。
 オレンジ色・クルマユリ、
 白色・トリアシショウマ、カラマツソウ、ヤマハハコ、
 紫色・タカネグンナイフウロ、トリカブト、ソバナ、ミソガワソウの群生、
 黄色・キオン、コガネギク、シナノオトギリの群生。

 針葉樹林帯に入り、藪沢大滝をいつの間にか過ぎ、大平山荘の前には紫色・タカネビランジ。 山荘から登り返して、北沢峠へ無事下山。14:10

 14:20 帰りも28人集まれば臨時バス発車するので、10分も待たずに発車。
 15:10 仙流荘にて着替え洗顔して、車に戻りノンアル一気飲み。
 15:30 山越えではない北へ迂回のR251を教えてもらったら、スゴク広い余裕の道で駒ケ根市内へ。

 明治亭のソースエビカツ丼(1770円)をガッツリいただき、超満足!山帰りはやはりコレだよね!

 17:00 中央駒ケ根ICから一宮IC、R155から名四国道では霞ケ浦花火大会にドンピシャ!大都会四日市の盛大な花火を車の中からウワッ!ウワッ!と楽しんで帰宅♪
 往復とも花火大会に出会い、絶好のお日和の山行とともにラッキーな一日に感謝!

花火散る短きいのち燃えつくし


●前夜発16:30=名阪=名古屋環状=中央=駒ヶ根IC=仙流荘P仮眠21:00
●仙流荘5:05臨時南アルプス林道バス=5:50北沢峠
★北沢峠6:00…7:10大滝ノ頭…8:20小仙丈ヶ岳8:40…9:30仙丈ヶ岳9:50…10:20大仙丈ヶ岳10:30…11:10仙丈ヶ岳…11:40仙丈小屋11:50…馬ノ背ヒュッテ…北沢峠14:10
●北沢峠14:20臨時林道バス=15:10仙流荘15:30=16:30駒ヶ根明治亭17:00=中央駒ケ根IC=一宮=R155=名四=名阪=帰宅21:30
●ETC休日3割引:東名阪亀山=名古屋西1110円、名古屋第二環状360円+360円、中央小牧=駒ヶ根2400円、中央駒ヶ根=一宮2510円(計6740円)
●伊那市営南アルプス林道バス往復2680円(ザック込み)
●ガソリン代3720円(@124円)270km×2
●水500ml、ポカリ500ml、梅ジュース500ml、計1500ml持参。仙丈小屋過ぎで湧き水500mlいただく。 マラソンでいただいたチョーヤ梅ジュースは甘ったるかった。水が良い。
●9:00快晴14℃、15:00晴れ13℃

(2017.9.10.記)

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