紅葉燃ゆ瞳の中の己高山

2016.11.18.

秋深しあれこれ想ふこと多し
 昨年行きたかった己高山(こだかみやま)。己を高める山???今年こそ!
 麓の古刹鶏足寺の紅葉祭りは有名で、土日は混雑するので平日に。この時期、比較的お天気が安定しているので、雨の心配はしていなかったが、結局メンバーはいつものT歳さんと。

 7:24 いつものようにJR草津駅で合流。だけど今日は金曜日。通勤で電車はいっぱい。
 8:38 木ノ本駅から湖国バスに乗り、古橋。紅葉観光客はシャトルバスに乗るためこちらはひっそりしている。
 9:00 己高閣の右の道から己高庵方面へ。己高庵過ぎて林道を行くと、行者たちが身を清めたという居張滝がシトシト滴っていて、己高山登山道標識。

 9:20 仏供谷登山口には『熊に注意!』の看板と絵地図あり。一昨年熊の目撃情報あったという。少し歩くと、尾根コースと谷コースに分かれ、尾根コースの山道へ。
 曇り空、時々お日さまだけど、マイナスイオン気分良く、淡々と。
 『このさきたいへんがんばって』『てっぺんの景色を見たらえがおになるよ』『この山はぼくらのたからもの』と地元の高時小学校制作の案内板がほほえましい。この歴史ある山を大切に、誇りにしている思いが伝わってくる。
 3合目過ぎると、琵琶湖、山本山が見渡せ、竹生島がぷかり浮かんでいる。
 なぜか鉄塔や電線の多い山。

好きな場所ありて片寄る落葉かな

 10:20 六地蔵は落葉に囲まれてニコニコ温かそう〜。
 馬止め、牛留のちょっとした岩場を登る。まさかここまで馬や牛が登ってきた?

 11:20 鶏足寺跡は広大。この旧飯福寺は己高山鶏足寺別院の一つ。江戸時代に衰退し、明治初期に麓へ十一面観音立像など移設。伽藍配置図があり、733年行基が草創し、泰澄が建立、799年最澄が再興した大規模な寺院だったことが偲ばれる。
 グニャ根曲がりの木々はやはり豪雪地帯を想う。
 九合目、木々の間から北西側眺望あり。ラスト、直角に左折してロープ設置の急登を一気!

琵琶湖北己高山の大ブナは一葉散るごと秋深まらむ

 11:40 己高山(923M)山頂は木立の中。しめ縄に巻かれ祀られている岩も鎮座している。
 東側木々の間から展望あり、白倉岳、金糞岳、虎子山、傘を被った伊吹山。明日は雨ね。

 12:20 落葉ふみふみ、南稜線へグングン下る。送電線鉄塔の下に出て、ちょっと変?と思いながらも、明瞭な道が東へあり下ってしまう。下りは途中から西へ下るのにまだまだと思ってしまい…。
 また鉄塔の下に出て、下っていくと、道がガサッと崩れている。やっぱりおかしい!
 14:10 「元の道へ戻ろう。わからなければ、頂上まで戻り登ってきた道を下ろう」
 まだ時間はたっぷりあるから。でも気持ちがナーバスになっているので、T歳さんは漢方薬を、私はアリナミン1粒を。二人で良かった〜、この二人ならなんとかなる。
 30分登り返したら、直角に西へ曲がる道を見つけた。これが正規の道。『旧飯福寺』とも記されている。ルンルンと調子に乗って下り過ぎた。私たちって結構足早いのだから。

 でも、間違った鉄塔の下から、野坂岳、岩籠山の岩ポコポコが見渡せて、喜んでいたっけ。

 14:40 確かな道へ戻ると安心感があふれ、ブナ黄葉、黄色のトンネル中、ついつい足が止まり、撮影会しながら下山。木漏れ日も輝いて、穏やかな日和の中、なんと圧巻!
 途中振り返ると、己高山の落葉したなだらかな山頂がほんのり現れてくれた。

 15:20 石道寺(しゃくどうじ)への遊歩道に入ると、鮮やかなカエデの下にたくさんの人人人。こんなところでも異国語賑やか。私たちも一枚カシャ!

 石道寺は赤黄緑が見事に配色されている。庭の木々はすでに雪吊りされていて、冬支度。

里山の紅葉の色は静まりて麓の古刹は真っ赤に華やぐ

 15:40 鶏足寺はやはり山とは違い景勝地。平日でも人多かったが、土日はもっと。
 落ち葉舞い散る参道は通行止めにしてあり、手前から撮影できる。なだらかな参道にモミジ舞い落ち、赤い絨毯のよう。一番上の本堂へお詣りする。
 今年の紅葉はとてもきれい!と評判通り、いい時に来られた。この一期一会に感謝!

池の面は紅葉映し真っ黒いサンショウウオの子ゆらゆら泳ぐ
 参道に小さな池があり、5cmくらいの真っ黒いイモリ?が泳いでいる。紅葉の赤とのコントラストがとてもきれいで楽しかった。イモリでなく山椒魚の赤ちゃんだった。

 16:00 ここから下山届をML。途中いろいろあったけど、無事下山。茶畑、とうがらし畑、コスモス畑を通り抜け、二人とも早く帰りたいこともあり、己高庵温泉はパス。
 16:37 古橋から二人貸し切りの湖国バスに乗り、木ノ本駅。
 薄暗くなった木ノ本駅前商店で割高260円プシュと半額サンドイッチを買って、通勤JRで無事帰宅。感謝!

山の神ふところにして山眠る

●JR大阪駅6:33-草津駅7:24-米原駅8:03-8:35木ノ本駅8:38湖国バス=古橋8:52
 古橋9:00…仏供谷登山口9:20(尾根コース)…六地蔵10:20…鶏足寺跡11:20…11:40己高山12:20…鉄塔引き返す14:10…高尾寺分岐14:40…石道寺15:30…15:40鶏足寺16:00…16:20古橋
 古橋16:37湖国バス=JR木ノ本駅(310円)

(2017.1.8.記)

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