神の留守七七頭ヶ岳へ導かれ

七七頭ヶ岳(丹生富士)
2016.10.1.

手のひらを返したように秋はきて私一人がここにたたずむ
 2007年にいただいた山の本がある。その中に計画をしていたメモが残されていた。その山は『墓谷山』。ヤブ山なので積雪期登山。700Mの山なのに山中1泊。夕食にはうどん。ウフフ!らしいなと感慨深い。あのニタニタした笑顔が浮かぶ。
 この時期、このヤブ山は私には行けないので、そのお隣の山にしよう。『七七頭ヶ岳』(ななずがたけ)。

 ネット検索で調べてみると、なんと一発で『ふるさとの富士』の丹生富士(七七頭ヶ岳)が登場。スゴイ因果にビックリ!

良き人をやめて身軽や草の花
 同行のT歳さんも快くOKしてくれた。ありがたい! T歳さんは山に対してとても素直。講釈は不要。それが彼女のいいところ。
 雨が降ると行きたくない…だけど、全く山に行けていないので、ザアザア降りでない限り行きたい。
 不安定な天気が続き、当日朝までウロウロした。openにしていないので気楽。

 8:22 JR草津駅で合流して木ノ本駅。木ノ本駅には愉快な思い出がある(*^^*)。
 9:31 かわいい長浜市コミュニティバスに乗り上丹生へ。

 10:00 上丹生バス停から高時川に沿って旧道を歩き、野神橋手前に七七頭ヶ岳観音堂参道登山口。
 10:20 曇り空の中、うっそうとした山道に入る。V字状の急坂が続くが、久しぶりなのでルンルンgood!
 今にも降り出しそうだが、降らない。ジメジメしているので暑い!汗がボタボタ。しかし、ずっと自然林なので、湿気のせいか空気は澄んでいて気持ちいい。

 11:00 十三丁で尾根に出た。参道なので、丁石が道案内。十七から始まり、頂上までの距離らしい。
 木々の間から、お隣の墓谷山(杉野富士)、遠くに横山岳が見渡せる。
「キューン」突然、鹿の鳴き声がする。時々、琵琶湖も見渡せるようになった。
 グネグネ登山道を登り、ブナの大木も過ぎ、一丁との案内。すぐ頂上の西林寺観音堂の祠に出た。

水澄みて七七頭ヶ岳のるり池は伝説のごと永遠に受け継ぐ

 11:40 観音堂から少し北へ進んで、右に下り、るり池を見に行く。ガーンと下ったところにほんの50cmほどの水たまりのような池にチョロチョロ滴っているというより、しみでていた。皮膚病が治ったという伝説があり、女性の肌を美しくするらしい。あまりきれいな感じでないが、少しだけ口に含む。ん〜?

 12:00 七七頭ヶ岳(693M)頂上へ登り返す。雨上がりの空気の中、ブナや雑木が生き生きしている。低山なのにここのブナの木々は大きく立派。山自体がご神体であるから? 
 曇ってはいるが、木々の間から行市山から余呉湖、琵琶湖竹生島が見える。三等三角点で記念撮影して、下山。

 つい、そのまま北の植林の道に入ってしまい、おかしいおかしいと…しまった!

 12:30 頂上へ戻って、案内はないけどネットの情報から、観音堂の右裏に道があり下山。
 しばらくは自然林ブナ林を気持ちよく下山。途中作業道を横断。
 やがて笹原になり、ここもネットからの情報を確認しながら、支尾根へ鋭角に右に曲がる。赤い矢印マーキングを見つけて一安心。
 これからも踏み跡はかすかにあるが、倒木多く、ブッシュで覆われているところが続く。

 途中数本の倒木あり登山道をふさいでいるところで迷う。また元の道に戻り、先を確認すると、やっと赤テープあり。その後も案内標識は無し、赤テープ、赤い杭はたまにあり。この山は秋より春先のほうがいいのかもしれない。
 登山口近く砂防堤があり、急坂が終わり、菅並集落の登山口に出た。でも、一本早いバスには間に合わなかった。13:30

 「マダニ!」
 バス停で着替えをしていると、T歳さんが叫ぶ!
 初めて見るマダニ2匹。大きい!5mmくらい。ズボンをなんとなく触ったら、異物を感じて見てみるとマダニだったという。ずっとトップを歩いていたから。私は二番目だったので大丈夫だったのかも。
 ここにじっとしていても仕方ないので、元のバス停まで3km歩く。途中、『胡桃沢の名水』という湧水があり、汗を流す。フッ!気持ちいい!

一粒のタネが広がる命の輪ピンクコスモス揺れる校庭
 丹生の集落では、コスモス咲いている木造の廃校でバザーをしていてちょっと覗く。村人たちの手作り感が心和む。

たおやかなコスモスなれど芯強し

 今朝のバス停まで戻ってきて振り返ると、七七頭ヶ岳の丹生富士が曇り空の中に現れた。端正な形をしている。やはり丹生富士だわ!

 往きのバスで同乗した男性と見送りしている女性と会う。地元の人たちは毎年11月3日頂上の西林寺観音堂お詣りに七七頭ヶ岳に登るという。

 15:42 またかわいいコミュニティバスに乗り、JR余呉駅へ。なにもない駅。町もシーンとしている。
 山行中も誰にも会わず、静かすぎる山行だったが、帰りのJRはプシュ乾杯して賑やかに、あっという間だった。感謝!(草津駅近鉄でちょっと寄り道後帰宅)

秋風を愉しむだけの山登り

●大阪駅近江塩津行新快速7:30-草津駅8:22-木ノ本駅バス9:31=上丹生9:53
 上丹生10:00…野神橋登山口10:20…尾根11:00…るり池11:50…12:00七七頭ヶ岳12:30…13:30菅並バス停14:00…上丹生
 上丹生15:42=余呉駅15:59

P.S.
がんばるわなんて言うなよ草の花 稔典

ものいへば唇寒し秋の風 芭蕉

(2017.1.8.記)

home