緑陰や三嶽に抱かれクリンソウ

三嶽〜小金ヶ嶽
2016.5.15.

 一昨年、川原さんのちょっといい山で紹介された三嶽のクリンソウ。サクラソウの仲間でピンクがとてもかわいい。でも、車でないとチト不便。行ける機会をヒソヒソ狙っていた!

 6:00 久しぶり(3年ぶり?)なので、余裕をもって家を出る。やはり新しい道、清滝トンネルバイパスができていて戸惑った…
 8:00 懐かしい千里中央ライフサイエンスセンター北側歩道でA木さんT歳さんと合流。
 すぐ中国道豊中ICに入れるのだが、ここの高速入口でバックした過去があり、高速に入るまではメチャクチャ緊張する。
 無事中国道に入り、ナビに従い、もうナビがないとどこへも行けないな〜。篠山IC下車、篠山市の古い町並み通りを過ぎて、多紀連山駐車場。10台ほど駐車していた。

 9:10 少しバックして、民家の間を通り登山口。ここでも鹿除けフェンスを開けて登る。
 やはりクリンソウ群生地があるせいか、整備された階段の登山道が続いている。でも、今日は暑い!まだ5月なのに、夏日続き、今日の下界は猛暑日とか…
 鳥居堂跡のある尾根に出ると、新緑を吹く風がメチャ心地良い!

 10:10 クリンソウ自生地への看板あり、パンフレットも設置。保護のため立ち入り禁止ロープで誘導されている。

曲水の流れに沿ひてクリンソウ大合唱して初夏を彩る

クリンソウ(九輪草)自生地保護区
 5月中下旬に咲く花の様子が五重塔の九輪に似てこの名があります。
 ここのクリンソウは兵庫県南隅分布で、近畿でも最大級の群生地です。
 生態的にも貴重で地元住民と共に保護し、研究観察を続けています。
                                     多紀連山のクリンソウを守る会

 せせらぎに緑の葉っぱを広げて、ピンクの花を四方八方と段々に咲かせている。五輪塔が見守り、思っていたよりも背が高いな。
 日陰と日向の境目あって、目がチカチカして眩しい。満開チョット過ぎているかな?でも順々に咲いていくから、長く楽しめる花よね〜 絶滅危惧種、大切にしたいよね〜

 群生地を一周して、元の道に出る。
 大岳寺(みたけじ)跡は、室町時代丹波修験道場あり、吉野大峰山と覇権争いで消滅したとか…
 岩場現れ、西ヶ嶽が見えビューポイント。

 11:30 三嶽(793M)。標識は『御嶽』。方円盤と一等三角点あり。白髪岳や丹波の山々、遠くに六甲の山々も見渡せた。山頂脇には岩の祠あり、石仏が祀られていた。  クリンソウ目当ての団体が多く、山頂は人いっぱい。暑いので日陰を探して休憩。

 大タワへは、緑のトンネルの中、急な階段をひたすら下る。まだまだ〜ずっと続く。

 12:20 三嶽と小金ヶ嶽の中間点、大タワ駐車場で車道を横切る。
 この大タワPの杉林の中、今年4月オープンしたばかりのフォレストアドベンチャーあり、杉を切った香がプンプン漂う。高度感抜群のアスレチックで、ハーネスにビレイしてターザンごっこ、杉と杉にロープを渡しての空中散歩はキャーキャー楽しそう〜
 うっそうとした杉林が続き、また急な階段状から岩場、鎖場出現。ゴツゴツした岩場から三嶽から辿ってきた稜線を振り返る。

岩山に吹く一陣の風は夏

 13:10 小金ヶ嶽(726M)は誰もいなく静か〜。同じように大きな丸い方円盤と三角点あり。真っ青の空の中、メチャ暑いけど風がスゥーと通り、丹波の山々などこちらの方が大展望!

 おっと!小金口への下り、山頂直下で左に行ってしまい、少しロス。よく見ると、大岩の上、右への赤いテープ印があった。おかしいと感じたら元の道へ戻る!の原則を守って…
 福泉寺跡も大峰山の山伏に焼かれたらしい。タニウツギのピンクも満開!
 14:00 お地蔵さまに手を合わせて、小川に沿って下る。小金ヶ嶽の小さなクリンソウ群生地は川沿いにあちこち数株咲いていた。また鹿除けフェンスを通り、ぐるっと車道へ回って。

 15:00 駐車場へ無事下山。今朝は気づかなかったが、北に柔らかい緑の曲線の三嶽の山容が望まれた。柔と硬、静と動、対照的ないい山登りができた。
 三嶽で別れたA木さんとも無事合流。再度訪れた群生地は誰もいなくてひっそりしていて幻想的だったとのこと。満喫できてよかった!(^^)!

 5月なのにもう真夏日の一日、今年も猛暑の予感。今朝、見かけた温泉、王子山公園ささやま荘まけきらいの湯(600円)に寄り、ボトボトの汗を流して、スッキリ!
 MLからのリクエスト、篠山IC近くの『諏訪園』をやっと見つけて、どうにかカフェオレ大福ゲットして、帰路についた。
 T歳さん運転の宝塚からは渋滞していたが、無事千里中央へ帰ることができた。感謝!

この道は樹々揺れ鳥鳴き花香り人やさしくて歩きゆく道






せせらぎは緑を映し流れゆくいづこへ行かんゆったりとして 裕

 念願のクリンソウを見に行った。
 きれいな水がゆったり流れるところに群生している。
 いつも山へ行くと新鮮な気持ちになり、やさしさや勇気をもらってくる。
 いい趣味をもった!いい仲間をもった! そう、感謝!

明日もまた頑張れそうよクリンソウ

二〇一六年五月十五日






∞ 編集後記 ∞
「生」を感じさせてくれる登山  登山家N氏エッセイより(抜粋)
 「なぜ山に登るのですか」とよく聞かれる。僕はまだその核心に到達していない。しかし、ふと感じることがある。それは「時に死ぬからだ」と。
 エベレストに登れば何体もの遺体を見る。凍りついたまま横たわっている遭難者を目にするたびに「死」を理屈ではなく感覚的に捉える。そして「死にたくない」と全身で感じるのだ。
 動物の本能はひたすら生きること。しかし人間は「死」を感じないと「生」を感じづらい生き物かもしれない。僕らは、山で死を感じた分だけ「生」に対する執着心が強くなる。心の奥底から「生きたい」と願うのだ。

 この「ひろば」を始めたのは、Tさんの事故があったから。あの時、「Tさんは山行届けをあまり出してくれていなかった」と聞き、山行届下山届とその報告を確実にしていかなければいけないと思った。時には「うるさいな」と思われたこともあったかもしれない。
 Oさんが退会する時の言葉「私を心配してくれているから?」と。「当然でしょ!」その当然の言葉を発していかなければ伝わらないと感じたことも。
 上記N氏のコメントを紹介して、次世代にバトンタッチしてゆきたい。

(2016.6.15.記)


home