岩峰を天に紅葉や妙義山

上毛三山・赤城山&榛名山&妙義山と荒船山
2013.11.2.〜5.

11月1日(金)
 今回も大津S.A.で拾ってもらえる〜だが、イマイチ様子が変わってきた。高速道路のなんとか工事が急ピッチで、なんとバリケード・・・
 警備員のおじさんは「ちょっとややこしいですが、どうぞ」なので、まぁOKでしょう!
 でも、次回は?

11月2日(土)くもり
 やはり上州は遥か遠い〜 未明、横川S.A.まできて、車の中でうつらうつら・・・

 7:00 「アッ!妙義山!」
 松井田妙義I.C.で下りると、右に鋸歯のような台形の岩山が目に入った。ギザギザの隙間から朝日がぼんやり差し込み、逆光ということもあり、シルエットが鋭く際立っていた。初めて見る上州の個性豊かな山々に見惚れてしまう。

 まずは榛名山へ。榛名山は榛名湖を中心とした火山群一帯の総称であり、いくつかの山々がある。
 今日は榛名湖を背に聳える榛名富士へ。古くは伊香保富士として万葉集にも詠われている。駐車場からピストン。往復約1.5時間。
 8:00 駐車場から榛名湖を背に笹原の中、ミズナラの黄葉に囲まれて登っていく。ビジターセンターの飼い犬かな?かなりの老犬だけど、ずっと往復案内してくれた。

 8:50 榛名富士山頂(1390M)には赤い榛名富士神社があり眺望もよい。紅葉がちょうど見頃!まだロープウェイも動いていなく、静かな朝靄の中、眼下に榛名湖が光っていた。

榛名富士裾野を染める薄紅葉
 9:40 榛名湖畔へ下山して振り返ると明るき曇り空の中、裾野を赤や黄色にまとった円錐形の榛名富士がスゥーと浮かんでいた。

 まだお昼前だから、渋川伊香保温泉の湯煙を横目で見て通り過ぎ、百名山・赤城山へ。赤城山もその火山帯の総称で、最高峰は黒檜山(1827M)。

 11:30 大沼(おの)からグルッと赤城山縦走。約3時間コース。猫岩から赤城神社を浮かべた大沼やその向かいの地蔵岳が見下ろせる。赤い溶岩の道だから赤ぎやま?
 12:15 最高峰・黒檜山(1827M)は陽だまりで暖かい。さらに北へ少し行くと、展望台。皇海山、日光白根山、武尊山、そして西の奥に浅間山が見渡せる。ここも同じく眼下に大沼。富士山が見えないのが残念。

赤城山小春日和を集めけり
 南への縦走路をとり、黒檜大神の石碑から駒ヶ岳へ。振り返ると青空の中にぽっかり黒檜山。なだらかな気持ちいい尾根道を歩く。

 駒ヶ岳からは一変して、鉄の急階段の下りがガンガン続く。
 14:00 大沼湖畔へ下山して、赤い橋を渡って赤城神社へお参り。陽射しが沼の水面にキラキラ反射して眩しく、穏やかな小春日和になった。

 また伊香保温泉を横目で通り過ぎ、今夜のバンガロー・サンコーハルナパークへ。やはりテントよりバンガローがいいな〜 一応シャワーもあるし・・・

11月3日(日)晴れ
 今日は妙義山へ。妙義山もいくつもの峰々の総称で、日本三大奇勝のひとつ。国道から表妙義の中腹に「大」の文字の看板が見えている。

 7:30 りっぱな妙義神社に参拝して、苔むした急な参道の石段を登っていく。上級コースと岩にペンキで書かれた岩場を登っていく。
 8:30 大文字ステンレス看板に出る。ここからヘルメット、ハーネスを装着。

 9:10 奥の院を左に見て、大岩に鉄の鎖のあるルンゼを登って見晴らしへ。

 それからも太い鎖場の上り下りの連続。しっかりしたホールドあるが、細かな落石にはやはり慎重かつ注意しながらなので、時間もかかる。

 玉石から大のぞき、天狗岩、と溶岩のヤセ尾根と鎖場を繰り返して、右に裏妙義の岩峰と紅葉を楽しみながら縦走。大絶壁の天狗岩を回りこんで相馬岳へ。

裏妙義紅葉となりて燃ゆるなり
 11:30 最高峰の白雲山相馬岳(1104M)からの眺めはスゴイ! 北側が開けていて、遠く浅間山のなだらかな山容をバックに、裏妙義の岩峰が鋭く、紅葉とのコントラストが息を呑むほど美しい。1000M級の山々なのに、圧倒されてしまった。

 相馬岳からはザレ場をガーンと下る。堀切から外傾バンド、濡れて苔むしている鎖トラバース。
 鷹戻し鞍部からは鉄ハシゴや鎖場を登り終え、鷹戻しの頭へ来ると、25m×2ルンゼ鎖場の下りでなんと順番待ち! 垂直なので高度感あり、ここが核心部!
 ロープをだしてその脇を下る幅さえない。仕方なくおとなしく順番待ち。みんなちょっとイライラ?「前行ってもいい、先行かせて」って…エッ?ふと中御所谷のことが浮かんだ・・・
 30分程待って、結局ラストを私が下る。太い鎖にセルフビレイして、上部は少しかぶり気味なので、腕力頼りにフットホールドを探しながら、岩自体はしっかりしているので安心。

 それからも鎖場以外も木の幹や岩をホールドにして落石しないように下っていく。中間道の第四石門へのルートをとり、鎖トラバースへと替わる。
 15:20 第四石門からは石門ゲートの中に紅葉と大砲岩がバランスよく納まっている。

 16:00 妙義中之岳神社にはどでかい金色の大黒様が紅葉と石門をバックに夕日に映えている。ポツポツ雨も降り出し、ちょうどよかった。

 スーパーで買い出しして、今夜も昨夜と同じバンガローへ。

11月4日(月)雨のちくもり
 今日は妙義荒船佐久国定公園の最高峰・荒船山へ。
 荒船山は群馬県側から見ると、荒波に浮かぶ巨大な船のような形に見え、平坦な山頂の北端は船尾に似ていることから艫岩(ともいわ)と呼ばれ、高さ200mの大岩壁になっている。最高点は船首にあたる南端の経塚山(行塚山)1422M。

 10:30 雨がポツポツしているけど、私たちなら大丈夫!すぐ晴れる!
 長野県境の内山峠から登ると、黄葉が見事! 朝一番なので、黄色の絨毯フカフカの上をルンルン歩けて、とても気持ちいい!
 修験道場跡礎石が残っていて、大岩がせりだしている鋏岩、そして一杯水を経て、艫岩展望台へ。最高点まで船の甲板にあたる溶岩台地の平坦な笹原の中1.5kmを、大船に乗った気分で〜

 11:40 最高点の経塚山(1422M)は木々の囲まれ展望よくないが、小祠と二等三角点があり、晩秋のしっとりした雰囲気をゆっくり堪能できた。

カラマツや黄葉輝き降り注ぐ
 やはり青空に変わった。カラマツの細かい金色の葉が陽に照りキラキラして、そしてパラパラ落葉してくる。金色に輝くこんなに美しいカラマツ林に初めて遭遇。Oh Wonderful!

 艫岩展望台からは妙義、浅間、遠く北アルプス。展望台の足元は断崖絶壁で柵も何もなく、恐る恐る覗いてみる。スゴイ突風! 油断禁物! 吹き飛ばされそう!

荒船山紅葉の海を漂ひて
 往路では雨に霞んで見えなかったが、復路では振り返ると直角に落ちている断崖絶壁の艫岩を確認できた。上州の山々は特異な山容数々!

 「荒船の湯」で温まり、霧ヶ峰のミヤシタヒルズ・バンガローへ。おこたもある〜

11月5日(火)晴れ
 8:30 最終日はゆっくり霧ヶ峰八島湿原散策して帰路に着く。

 帰路、諏訪といえば鰯料理! 台風多くて鯵になってしまったが・・・
 つるべ落としの晩秋を目いっぱい楽しんだ4日間にごちそうさまでした!

眼に残る紅葉奇峰上州路

(2013.12.22.記)

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