今年の梅雨明けは7月6日、とても早かった。案の定、戻り梅雨が先々週先週とやってきた。戻り梅雨といっても生易しいものではなく、雷を伴った豪雨! 特に日本海側の新潟や萩・津和野は集中豪雨に見舞われた。
やっとその戻り梅雨も終わり、またまた酷暑炎暑猛暑のキビシーイ夏がやってきた。
沢の季節到来!
8月8日(木)晴れ
21:00 大津S.A.の予定だが、なぜか早く家を出る。名神高速に入ると琵琶湖畔に花火!ちょうど渋滞も重なり、ゆっくり花火見物〜と思いきや、大津S.A.駐車場はいっぱい、拡張工事で見逃してしまい、アチャ〜(*_*)
結局、後戻りして、瀬田西I.C.へ戻り、また高速に入り、花火大会の終わった大津S.A.へ。やっとみんなと合流できた。ホッ! 21:30
それでも大津S.A.で拾ってもらえるのはとても助かる。だって荷物は右から左だもの!
川原車はメンバー6名を乗せて、西へ。深夜3時に双葉S.A.で仮眠。
8月9日(金)晴れ
青梅街道をクネクネ走り、ネットで見た「山火事防止」の看板前の狭いスペースに駐車。
万緑や木の間越しなる瀬音かな
9:00 沢装束に着替えて、100mガンガン下る。ヤブコギでもなく、踏み跡はしっかりしているし、テープもある。
全く問題なく一之瀬川へと降りることができた。一之瀬川は明るい渓相。釜やナメを楽しみながら大常木谷入り口↓までこの本流を下る。
今年初めて、初級で徐々にトレーニングしてきた昨年までと違って、ホントのぶっつけ本チャン!で不安もあったが、長年のキャリア?はこの身にありがたくも染み込んでいる?目も足もすぐ馴染んで溶け込んでいってくれた。サンキュ!
9:40 大常木谷に入ると谷幅は急に小さくなり、突如暗い渓相と一変する。
大岩を乗り越えたりして、どんどん進む。
徐々にゴルジュとなり、深めの釜も現れてくる。でも水量は少ない。
夏深き大常木谷の木の緑目に沁み入りて心潤ふ
見上げると青空が広がっているので、渓相は暗くてもあまり感じない。
いよいよ最初の滝。ちょうど良く太い倒木がかかっていて、またいでダッコちゃんしながら進み、隣の倒木に乗り移って突破。
そしてナメを進んでいくが、茶色っぽく滑りやすい岩がずっと続いていて、油断できない。とにかくここの岩はヌルヌルよく滑る。
10:20 沢が大きく左に曲がると五間ノ滝8m↓。釜は広いが、水量少ないため、腰あたりまで、全身濡れることなく取り付けた。
まだまだゴルジュが続く。やはり谷は深く、圧迫感に襲われる。ここが東京近辺とは全く感じられない。
大滝の高さにありし夏の雲
11:00 千苦ノ滝25mが現れた。水量少ないといえども、やはり豪快! ここを登攀する人もいるらしいが、我々は右を巻く。
川原リーダーがロープを延ばす。直登してトラバース。一ヶ所落ちているところあり。要注意!というところはここやね〜確かにいやらしいが、もっといやらしいとこ、昨年までも何度もあったよ〜
滝上から見下ろすと、谷の奥深い間を登ってきたという感傷に浸ってしまう。
難所通過して、またゴルジュを進んでいく。射しこむ太陽がすごく暖かく眩しく感じる。
13:20 山女魚淵では川原リーダーが泳いでロープを延ばしてくれる。右岩壁には残置シュリンゲが届きそうもない2m程上にある。水量少なくて現実ラッキーだった。
ここからは細長いゴルジュが続く。倒木が多い。
14:40 不動滝もへつって取り付く。ここも水量少なくほとんど濡れなくラッキー!
トロにさしかかる頃、「アマゴ!」
終盤の流れのないトロではウヨウヨ。餌にウヨウヨ寄ってくるのがはっきり見える。そう、今日は誰にも出会わない、私たちだけの大常木谷だから。
カンパ谷出合いを過ぎるとゴーロの河原状になり、そろそろ流れも緩やかになっていった。
16:00 御岳沢を右に見て、暫くしたところで今夜のビバーグ地点とした。ネットで見た大常木林道との合流地点の会所小屋跡ではないが、こんもりした広々した中州にタープを張った。
早速焚き火をおこして、アマゴをいただく。みんなの頬がほころびている。久しぶりの本チャン沢登りなので、しっかり軽量化してきた身にはアマゴはありがたい。
8月10日(土)晴れ
8:00 生乾きの沢装束に着替え、沢を詰める。
暫く歩くと大常木林道との分岐に出た。石垣が積んで焚き火の後あり、やはりここの方が広々していた。
我々はこのまま沢を詰めていく。沢2日目に入ると、一昨日までの猛暑は記憶から消えてしまい、なぜか夏の日差しが柔らかく感じる。木漏れ日がなんとなく優しくも感じる。暦の上では秋だからかしら?
三角に切れ込む峡の水澄めり
9:40 大岩のある15mCS滝↑も右は水量チョロチョロなので右から登る。本流をつめると倒木とガレが多くなり、やがて雲取山への登山道の橋が見えた。12:10
12:30 ギア類と靴を履き替え、雲取山とは反対への道をとる。沢では全く感じなかったのに、普通の登山道になるとロープが肩にグッとくいこみ、重いというより肩が痛くて痛くて〜あれほどボッカ訓練してきたのにトホホ・・・森本さんがラストを歩いて下さっているのでとても心強い。(^o^)
青田風吹く八月の高原に茜飛びゐて秋はもうそこ
13:50 やっと将監峠へ来て、パッと視界が開けた。ボッカしたこの身を涼風が慰めてくれる。フゥ〜!
先ほど追い越された地元の青年は一人日帰りで大常木谷を遡行して帰るという。今回唯一出会った人だった。
林道を三ノ瀬へ下り、3年越しの民宿「みはらし」へ辿りついた。15:20
みはらしのおばさんが手打ちそばなど次々とふるまってくださる。
沢終えて小さき宿のおもてなし田舎料理に涼風誘ふ
昨夜の沢の中からは木々に阻まれ気付かなかったが、今夜は満点の星空が一面に広がっていた。天の川もキラキラ流れている。
流星の曲がることなく一途なる
8月12日(日)晴れ
今日はあの酷暑の下界に帰る日。民宿の庭にはコスモスが揺れ、南の空の積乱雲が可愛くなっている。確実に秋が近づいてきている。穏やかな空気に包まれるひととき。。。
里山の宿の軒下ススメバチ巨大なる巣と共に生きてく
民宿の屋根を見上げると、大きなススメバチの巣。ヒェ〜(*_*)!
名残惜しく民宿を後にし、日本最高気温を競う甲府の町へ。ちょうど桃と葡萄の季節で試食とともにおみやげ購入。猛暑がありがたく?プリプリ実っていて、あま〜い(^o^)
そして、マンズワイン工場見学して、ここでも試飲とおみやげ。
高速に乗り、中央道ではソースとんかつ丼をがっつりいただく。テレビに映る世界選手権女子マラソン福士選手の銅メダルに感激し、工事中の大津S.A.へ。重いおみやげと荷物は車から車への移動のみ、ラッキー!
ずっと安全運転いただき、またようやく入渓完登できた大常木谷の充実した3日間に感謝!感謝!して、my今年唯一最後になる沢、YMCC夏合宿が終わっていった。
鰯雲うろこの数だけ思い出作り絹雲に乗り明日へ流る
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