薫風や 那岐の山並 一望に

2013.5.12.

 岡山県の山となれば、遠いなぁ〜という感覚だが、意外と近い!三田から車で2時間。夕方17時過ぎに家を出れば、22時過ぎに登山口へ着いた。日の長くなったこともあるのかな〜 時間は、季節は、確実に過ぎていっている。
 今回はK原さんのちょっといい山と題する山行に参加させてもらった。

5月12日(日)快晴
 昨夜の満天の星空だった。春なのに、たった500Mの標高なのに、こんなに星空が近くにキラキラ見えるなんて!北斗七星、大熊座、ペガサス!

 6:30 第三駐車場のすぐ横に蛇淵の滝がある。薄暗い木々の生い茂った中に東屋もあり、蛇が出そうな苔むした暗い滝。

 林道から一般登山道を登っていく。
 前方右に那岐山のなだらかな稜線を見ながら登れるので気持ちいい。でも今日は雲ひとつなく暑くなりそう。

 足元にはニシキゴロモ。

 ブナ、ミズナラの広葉樹を見上げていると、まもなく大神岩。
 7:30 大神岩(1000M)からは奈義町の町が見渡せる。南西は自衛隊演習場のある日本原高原。緑一色の中にポツポツと小さなため池がピカピカ光っている。

 山の漢字は那岐、町名は奈義。もとはナギノセンで、イザナギ、イザナミの2神が宿る山として信仰されていた。また、作東の最高峰、後山に背比べして負けて泣いたのでナキノセンがなまって、ナギノセン、ナギサンになったという民話もあるという。

 ブナ、ミズナラ林を過ぎると、視界が開け、笹原の稜線へ出た。
 8:30 稜線を東に10分ほど登ると那岐山最高峰1250M。展望良し!東に後山、西にこれから行く滝山への稜線、南に瀬戸内海、四国の山々と、しかし北の大山は霞んでいて望めなかった。

 分岐に戻って、なだらかな縦走路を西へ向かう。
 笹原がずっと続いている。まだ雪解けして間もないためか、笹原は緑より薄茶色を帯びていた。稜線がずっと見渡せるので、気持ちよく足も逸る。
 9:30 滝山近くに東屋があり、木陰がありがたい。振り返る那岐山からの稜線が柔らかく美しい弧を描いている。

 10:10 滝山(1196M)は雑木の中なので、木の展望台があるが、今日はスゴク暑い!真夏日!まだ5月というのに。
 しかし、まだ時間が早いので、変更届けを出して、西へ縦走路を行く。
 ところが、今までのなだらかさとは一変してガンガンと下る。まだ?まだ?こんなにも下って・・・
 やっと鞍部に出ると、滝めぐりの案内板があり、西から来たパーティがこれからその広戸仙ふるさとコース(滝めぐり半日コース)へ行くという。しゃくやくが満開だという。
「行きたいな〜」と思いながらも、タクシーチャーターしているし、少し時間かかりすぎるし、2度目の変更は・・・
 きっぱり諦め、山への急登を行く。シャクナゲの葉だけが大きく伸びている。

 12:00 広戸仙(1116M)頂上。南東側は開けていて、歩いてきた縦走路が笹原の中にたおやかに続いている。太陽ガンガンの中、とても雄大な景色!

 それから、タクシーの時間が迫ってきていて、足早にまたガンガン下る。真夏のムンムンしたかのような草蒸した中を、とにかくガンガン下る。
 13:30 声ヶ乢。ジャスト!間に合った!
 タクシーに乗り込んで、今朝の登山口に帰る。

真夏日に 那岐山三山 照り映えて

 タクシーからの右手側に那岐山三山がきれいに並んで見えた。縦走した峰々が雲ひとつない青空を背になだらかに浮かんでいた。中国山地の山並みがこんなにたおやかに優雅に連なっていることを初めて知った。心安らぐ穏やかな光景にポォ〜と見惚れてしまった。

 14:00 今朝の登山口に帰って、気持ちよく裸足になっていると、
「時間ないからどちらかよ!」
 即、温泉は諦め、着替えだけして、サッと高速に乗った。一途お目当ての三田九丁目にたどりつき、乾杯して暑い熱い一日が終わっていった。

 今回も濃ゆい山行だったなぁ〜こんな濃ゆい山行していると次がどうなるのか・・・???

山若葉 生き抜く力 湧きにけり

(2013.5.18.記)

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