真白い曼珠紗華を見た。シャッターチャンスは逃したが・・・
S会の男性が六甲で行方不明というメールが流れた。今週末、協力できる仲間たちは捜索にあたった。この日曜日で5日目になる。範囲は六甲全体に広がり、私もその一員に加わった。
8:30 阪急王子公園駅集合。住宅街の急坂を登って、山道の入り口に、
「エッ?白い曼珠紗華・・・」
遭難したであろう西山谷より4km程西の中尾谷捜索班になる。堰堤を越してから沢筋に入る。水はチョロチョロ流れ、ピンクのテープがところどころに巻いてあり踏み跡も感じられるが、もう蜘蛛の巣だらけ・・・ 周りを見回しても、小高い窪みの向こうはもうわからない。
東山にでて、一般道の旧摩耶道を行者茶屋へ、そして摩耶山の長い長い階段を登る。
摩耶山頂↓(698M)は無線中継地点。青谷橋班の仲間が集まっていたが、発見なく・・・
古き堂 木犀の香り 今全開
我々は折り返して行者茶屋↓へ。ここでは赤い曼珠紗華と金木犀の香りという見事な組み合わせで迎えてくれた。どっぷりかいた汗を秋風がサラッと吹き流してくれた。
青谷の荒れたままのゴルジュを覗きながら、お寺↑を経て下る。
14:00 阪急王子公園駅↓に戻り、Y崎さんのGPSで大阪王将を見つけ、反省会へ突入した。
行方不明の彼は計画書なく、情報不足がネックになった。ルートさえ判明していれば捜索範囲をしぼることができ、その範囲内を大人数で捜索でき、救助・発見の可能性が高まったのではないか。単独行であるとか、保険が一口であるとか、その他いろいろな山に対する姿勢が不十分であったこともあるであろうが、最低限、計画書さえあれば・・・と残念でならない。
今回のことを反面教師として、改めて山への第一歩である計画書、そして山に対する真摯な姿勢を常に持続して行きたいと思う。
半月に 翔る一人乗りの ハイエース
翌日、F会のO倉さんの訃報が入った。谷川岳での滑落だった。単独登攀だった。
「僕は谷川岳が好きなんです」口癖のようなこの言葉をよく耳にした。谷川岳単独登攀の話をしてくれたことを思い出す。
「ゴール手前2kmで追い越されたから、1km手前で黙って追い越してやった、声かけたら追い越されるもんな・・・イヒヒヒ」
今年の菜の花マラソンだった。10人乗りの愛車トヨタハイエースをずっと一人で運転してくれて、ものすごいクライマーなのに、私たちにも気安く接してくれた。少年のようないたずらっぽい口調が心優しい彼を物語っていた。
六甲で遭遇した白い曼珠紗華と彼の白いハイエースがふと重なり合って頭をよぎった。昨日のお通夜は雨で隠れていたが、今夜の明るい半月がハイエースに乗った彼に光をあて、向かい入れているかのようだった。 合掌
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