タンポポの 生き抜く力 確かなる

宍粟市山崎さつきマラソン
2010.4.17.

 寒さがようやく和らぎ、周りの風景も一気に春になった。むろん、桜も満開!当然のように春が訪れた。この季節を迎えると、いつもながら心が華やぐ。でも、今年はイマイチ気分がさえない。
 無理もない。
 あれから一ヶ月・・・石巻の彼は行方不明欄に名前が載ったまま。東北地方はまだ大きな余震に見舞われている。福島原発も相変わらずコントロール不能のまま。テレビをつけても公共広告にお説教。楽しいことを考えようとしても、なかなかそうはいかない。なにかこう薄っすらとした不機嫌が全体を覆っている。

 そんな中、家の前のアスファルト道路の隙間から咲いている黄色のタンポポを見つけた。太陽に向かって大きく葉っぱを広げて、うれしそうに咲いている。遠く東北を思いながら、この小さなタンポポの力強さをしみじみ見惚れていた。

4月16日(土)晴れ
 震災前にエントリーした恒例のマラソンがやってきた。仲間が行くので私も・・・昨年と何も変わりなく前日から出かけて、山桜やさしい山々をぬって穴粟市山崎へ。

 買い出しして、いつものグランドでテントを広げていると、係員が来て、
「ここでテント広げられるのは困ります」
「そんなこと今頃言われても・・・今日だけお願いします」
と、仲間は今にも切れそうな口調で、反り返って上から目線でお願いする。すると少し場所を移動してOK。なんか嫌がらせされた感じ。

タンポポの 芽の出す園は 日溜りに
 移動した場所の方が風もなく、芝生の上でタンポポの黄色が彩りを添え、ちょうど桜の木の下で桜吹雪を浴びながら気持ちいい。桜は葉桜になりつつあったが、満開! 災い転じて福となす!
 Y田君のタコ焼き器でイカ、トリ、砂肝いろいろそれぞれ焼いて、いい感じ〜 今回は4人だけだったけど、久しぶりにケラケラ笑い転げて、またまたいい感じ〜

4月17日(日)晴れ 17℃
 風があるせいか、いつもより寒く感じる。でもいつもの衣装。
 10:00 みんなと一緒にスタート。k6分ペースで走る。往きはゆるやかな上りなので、6分少しオーバー気味だけど、まぁ息も切れずいい感じ〜

 色とりどりの芝桜、白いコデマリ、黄色の菜の花、大きな木のモクレン、そして遠目には山桜、今年は少し寒いためか、チューリップは少し早かったようだ。
 4km付近の鳥居、5km付近の橋と順調。一つおきにアクエリアスをとる。
 11:03 10km地点。
 折り返して1km位のところで、オレンジ、レモン、おにぎり、バナナをいただく。食べ過ぎないように注意。I信さん、K下さんとハイタッチ。少し下り気味になって自然とスピードアップ。
 ずっとY田君の背中を追って走っていたが、給水のたびに離れてしまい、ラスト4kmの鐘を鳴らしているカーブのところからは全く見えなくなった。

 2時間02分59秒。先週の六甲縦走40km(塩尾寺〜高取山)の後遺症を足に感じていたが、48kg24%28歳でまぁまぁよく走れた。暑くもなく、ちょうどよいマラソン日和だった。ゴール付近の八重桜はまだ蕾のままだった。
 テントに帰ってくると、桜の花びらがひらひらやさしく迎えてくれた。あ〜スゴクいい感じ〜久しぶりにスゥーと爽快気分に浸った。
 仲間も帰ってきて、乾杯して余韻にゆっくり浸ることもできた。78歳のI信さんも2:17で完走。素晴らしい!

 楽しくしていたら、ある「げせん」危ない人が私たちのタイムを聞きにきた。タイムは自分の中のもの。自分へのご褒美であったり、次への励みであったり・・・
 最近、ホント変な人がいる。ややこしいおかしな人がいる。そう、一昨年のあの事故から私の人生観が変わった。自分の安全は自分で守っていかなければならない。危ない人には絶対近づかない。可哀想に思っても絶対声をかけない。つい先週も「いい人」の役を与えられた。無事に終わったものの、やはり気をつけていかなければならない。
 いい仲間がいるのだから。
 いい仲間を大事にして。

 バーベキューの匂いが漂う中、私たちは一路、甲子園口へ。お決まりコースのタコ焼き+明石焼き、焼き鳥+白玉小倉抹茶アイスで打ち上げして、最高のいい感じ〜で終わっていった。
 最高のいい仲間に感謝して〜

花吹雪 背筋の伸びる 思ひかな

(2011.4.20.記)

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