夏合宿・・・久しぶりに聞くこの言葉の響きに、今までのことが走馬灯のように甦ってきた。私が入会した頃は、小川山夏合宿が毎年のようにあり、GWの春山合宿も北アルプスを北から繋げる縦走が毎年あった。ごくごく当然のように思っていたこの合宿というものが、いつのまになくなってしまったのだろう?もしこんな合宿がYMCCでずっと続いていたら・・・
8月5日(木)晴れ
24:00 もうマイカーを提供することはないと思って、小さなトヨタパッソ1000ccを昨年エコカー減税+補助金もあって購入した。ナビは備えたが、ETCはナシだったので、今回ETCを備えて、初めて菩提寺S.A.へ走る。信楽から新名神高速へ入ると1時間ちょっとの距離だった。速いな〜
菩提寺S.A.で合流。K原リーダーはじめ7名が揃う。早速ドライバー交替。M本さんはK原車についていこうとビュンビュン飛ばす。大丈夫かな〜壊れないかしら?とヒヤヒヤもの。途中、ドライバーはA山君に代わってもらって翌朝無事立山駅に到着。そして仮眠。
8月6日(金)晴れ時々くもり
懐かしの 室堂渡る 風涼し
6:50 美女平までケーブル、そしてトロリーバスに乗って室堂へ(往復4190円)。何年ぶりかな?学生時代の剱岳とかざぐるまでの立山以来。懐かしいな〜 私の持っている1976年のエアリアマップは剣岳。今は剱岳。
一気に高度を上げたためか、少し頭痛。以前は全く感じなかった高山病のような症状も感じるようになってしまったな。
雷鳥沢のテントの花も華やか。薄茶色の三角テントをきれいに張れて記念撮影した若い頃があったな。少し曇っているけど、目指す山々を見上げて、空気はおいしいし、今が盛りと満開のお花畑に目も楽しい。沢ばかりに行っていると、こんなお花畑はなかなかお目にかかれない。タテヤマリンドウ、やっぱり年に一度位はアルプスのお花畑に会いたいなぁ〜
11:00 剱御前小屋。少し下って、ベースの剱沢。
12:00 剱沢ベース。早く着いてしまった。これからが長いなぁ。第1弾終わって、お昼寝ぐっすりして第2弾。
18:00 明日のこともあるので、早々就寝。
8月7日(土)晴れ時々くもり
5:00 出発。4:30頃から薄明るくなっていたが。ベース方式なのに、なぜかほとんど今日持って行くものばかりでザックはパンパン。
剱沢雪渓を下る。アイゼンは持ってこなかったけど、斜度はきつくないので、ストックと雪渓の波間を利用して慎重に下る。雪渓から上る空気がひんやりとして、雪煙に剱の峰々が浮かんでいる。今年は雪が多いそうだ。武蔵谷↓、平蔵谷↓を越え、八ツ峰を右に見て、源次郎尾根取り付きへ。
行方追う 源次郎尾根 雲の峰
6:00 2100M地点から源次郎尾根へ取り付く。
潅木の中、急斜面を登る。すぐ、ロープの出番。でも高度をガンガンこれで稼げる。グネグネ高度を上げ、尾根とルンゼに別れて登る。
7:00 私達5人はルンゼへ。トラバースから1級程度の岩登り。登山靴だけど、これ位が楽しい岩登り。でも時々レイバックを要する岩も出てきて、M本さんのお助けシュリンゲに頼る。
そろそろ尾根に戻るはずなのに、ルンゼをつめる。だんだん岩登りも4級程度に難しくなり、トップM本さん、2番目Sさん。エッ?2番目は新人のA君じゃないの?おかしいけど仕方ない。そして4番目Fちゃん、ラストは私。お助けシュリンゲは私達2人にはなし。
最後はなんともいやらしいボロボロの岩登り。落石多し。ロープを直線に張っているから、みんなが登る真下にいるFちゃんは「死ぬかと思った」って。
ATCを落としてしまったけど、幸いに回収でき、M本さんに確保してもらってやっと尾根に入った。ハァ〜。ホッと一息、喉がカラカラ。
9:15 尾根を着実に登っていく。ハイマツが横たわり、岩の陰で咲いているミヤマリンドウ、ウスユキソウの小さな花が目にやさしい。
10:10 2709Mの第1峰↓で合流。一旦下り、快適な尾根を登る。少し雲が出ている程度で、目指す剱岳本峰は眼前に大きく構えているので、気持ちもルンルン。右を覗くと残雪に険しい八ツ峰が聳え立っている。岩登りしている赤いヘルメットがうかがえる。
11:15 第2峰ピーク↓より懸垂下降。順番待ちと7人懸垂下降するのに約1時間要する。でもここからがス〜と直登で早かった。
13:00 剱岳頂上(2999M)。南からの一般登山道は一服剱、前剱と何度も上り下りがあるけど、こちらからの方が早い?
登ってきた俊英な源次郎尾根↓を振り返る。遠くには後立山の山々、白馬鑓、唐松岳が構えている。そして幾重にも鋭い岩稜を延ばし、その間に谷やカールを抱いている。剱岳は大きな山だ。
13:30 ゆっくり雄大な景色を堪能して、下山。カニの横バイ、ステンレスのハシゴを下る。振り返ると剱岳が大きくデンとしていた。
14:50 前剱(2813M)を巻く。左に後立山の山並みが浮かんでいる。唐松、五竜、鹿島槍ヶ岳。右は奥大日、大日岳の山々。ホントお天気に恵まれた山行になった。
もう秋を とらえておりし チングルマ
剱山荘近くにはお花畑が広がっている。風の通り道のチングルマはもう穂になっている。そう今日はもう立秋。
17:00 剱沢ベースに帰る。お疲れさまの乾杯をしているとポツポツ。すぐテントに入り、でも疲れがドッとでてきて、まもなくお休み胸中。お天気といい、M本さんでもこんな岩初めてとの落石多いルンゼを無事切り抜けられたことといい、ラッキーな一日だった。感謝!
今夜は満天の星。全銀河にも感謝!
8月8日(日)晴れ時々くもり
真っ暗の中、外では「もう並んでいるよ」との話し声。剱岳へのカニの縦バイの行列のこと。(上りは縦バイ、下りは横バイ)昨日はもう遅い時間だったので、全然混んでいなかったけど。
それから一眠りして、のんびり起きて朝食。今日は朝焼け美しく?朝から剱岳峰々全部見えている。
6:20 記念撮影して出発。剱御前小屋まで登ると剱岳もカールも一望。
7:10 雷鳥平へ下って、今日は地獄谷めぐり。「硫黄が盛んに噴出していますのでご注意ください」のアナウンスはまさに現実で、ゴホッゴホッと喉が痛い。最初は息を止めていたが、だんだんそうもいかなくなり、とにかく早くここを脱出しなければ・・・と足早に長い階段を上った。
今日はさざ波がたっているので、ミクリガ池に立山の雄姿は映っていない。よく絵葉書に登場する景色と登山ガイドが説明している。ホント清々しい景色!
雷鳥や 視線の先の 夏の闇
室堂バスターミナルへ上がる階段で、なんと雷鳥親子に出会った。親1羽、子5羽。スゴク近くにじっとして遠くの一点を見つめている。彼らにとって人間は怖くない存在なの?もっと怖い相手がいるのだろうな〜
9:20 美女平行きのバスに乗り、ケーブルに乗り換えて、立山駅。Fちゃんが調べてくれたグリーンパーク吉峰温泉で汗を流し、恒例の徳光S.A.で海鮮丼をいただいて、無事帰ってまいりました。
感動のYMCC夏合宿でした。先輩はりりしく、後輩は頼もしく、ホント充実した夏合宿でした。感謝!感謝!です。
別れ道 いつか一つの 夏野かな
久しぶりの夏合宿だった。ホントここ数年忘れていた感覚だった。新人だった頃が甦ってきた。会のみんなにと一緒に行きたくて、先輩が提案してくれた合宿というものを目指してトレーニングしたっけ。私は新人だった頃が長くて、何年か続いていたようにに思う。でも今は中間の立場で先輩を見上げて、後輩を見ている。やっとここまできたっていう感じがする。やっぱり長かった。ホントに長かったと思う。
明日の中川さんを偲ぶ会は中止になってしまったけど、このことを報告したら、「そう〜よかった、よかった」ってニコニコして言ってくださるよね。
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