雲取山 風ふところに 夏木立

初級夏山登山学校 雲取山・竜喰谷
2010.7.29.〜8.1.

7月29日(木)くもり
 22:00 1年ぶりにJR森ノ宮駅集合。加茂観光の新しい宴会座席のない25人乗りバスに乗って、吹田S.A.に寄って、全員集合。

7月30日(金)くもり
 うつらうつらしていると、バスは青梅街道丹波道の駅に到着。青梅街道オイラン淵で一旦下車して一ノ瀬川本流を覗くと、やはり濁流。関東では晴れていても、毎日のようにゲリラ豪雨が突如やってくると聞いていた。まして今日は降水確率70%予報。大常木谷遡行は諦めて、三ノ瀬までバスで入り、雲取山ピストンに変更。

 7:10 ゆるやかな幅広い林道を受講生が先導して登っていく。汗がドッと噴出し、ムシムシ暑い。水が流れ出しているムジナノ巣で休憩。7:50
 8:45 アッという間に将監峠。ここまで広い林道だった。雲は垂れ込めているが、小屋があり、明るく広々した笹原に風がなびいて気持ちいい。

霧深く 山腹巻いて 長き列
 ここからは尾根を巻いていく道が続く。やはり東京の山なのか、木道が整備され、ステンレスで補強もされている。竜喰山、大常木山、飛竜山を巻いていく。
 三ツ山付近より白樺林になり、気持ちいい高原の様相、木立の中の尾根歩き。

 15:00 三条ダルミよりザックをデポして雲取山ピストン。相変わらず空は雲に覆われているが、雨が降り出す気配はなく明るい。ただこの湿気のためか、顔の周りを小さな虫が飛び交うのでいただいた虫避けシートを首に巻く。これだけ我慢。

 15:30 雲取山(2017M)に着いても、ガスっていて何も見えず。以前泊まった立派な避難小屋は健在。三条ダルミへ戻り、水無尾根を下山。
 17:00 三条ノ湯へ着いて、ビール解禁の声に、みんな一斉にビールを買って、ハァ〜!おいしい!もう汗だくだもん。と思いきや、林道終点でビバーグとなり、あと30分頑張って歩く。
 18:00 林道終点の広場は柵がしてあるけど、落石がちょっと心配。雨が降っていなくても土砂災害あるっていうし・・・そう、夜半5cm位の落石数度あり。小さくて幸いだった。

7月31日(土)くもり一時雨
 5:00 林道を延々と青梅街道御祭まで歩くと、バスが待っていてくれた。
 8:00 再び丹波道の駅をお借りして着替え。今日は一ノ瀬林道魚止までバスで行ってもらって、竜喰谷遡行へ。

 9:00 入渓点で釣り人3人パーティに出合う。一ノ瀬川本流はさすがに水量多く、渡るだけでも足を取られそう。でも、すぐ支流の竜喰谷に入ると、水量も少し少なくなる。それでも、やはり水量多い感じ。
 9:30 すぐ5m幅広の滝↓。右壁を直登。木漏れ日が射してきて、緑が映え、森林浴いっぱい。

 11:00 竜喰谷最大という下駄小屋ノ滝↓

 11:20 10m幅広ナメ滝↓は左を登る。次の曲り滝はロープ頼りに直登。その後も、5m位の登れる滝とナメが次々現れて楽しい沢歩き。釣り人が簡単に入れるのもこの魅力からかもしれない。

うれしいな 童に戻る 山女釣り
 あれっ?! いつもスゥーと女性の周りに登場するのに、いないな?と思っていたら、先行して魚釣りしているO谷先輩。人間の女性より山女(やまめ)?
 トップ歩いていると、うようよ山女がいたという。そのはず、あれよあれよと釣れていく。とても清純できれい。うれしいな〜うれしいな〜おじさんが童顔に帰る。その場で内臓を出してさばく。さすがに手早い。

 13:20 スダレ状7m2段滝↓は中央突破のシャワークライミング。

 その後、すごい煙が漂ってきて、先行している釣り人の山女焼いているところまでずっと。長かった。こんなに下流まで煙が流れるものかと思ったよ。
 14:00 やっと石積み堰堤で釣り人達と会う。
 やがて左に沢をとっていくと、ネットで見たことのあるような木の橋のある大常木林道に出た。ここで雨がポツポツ。林道といっても地図にはない仕事道のような道で、ネットではかなりややこしい廃道との説明だったが、いくつかの分岐を右へ右へ道をとっていくと、将監峠への道の中間点位(ムジナノ巣少し上)にでた。

 15:45 昨日の林道を三ノ瀬に下る。雨は降ったり止んだり。
 17:00 一ノ瀬の民宿みはらしに到着。バスが待っていてくれて、着替えができてホッ。先ほどまでここではどしゃぶりだったというが、晴れ間も見えてきて、ザックだけは乾いてくれた。
 民宿でビールを買うと、その肴として手打ちそば、にんにくのしょうゆ漬け、干し柿の天ぷらと次から次へと出してくれる。この肴でもうおなかいっぱい。先ほどの山女も焼いて、スゴク新鮮プリプリ。こんな山奥でおばちゃんは一人暮らし。久しぶりの大勢の人間にうれしいのか、犬のサンタも飛び跳ねて喜んでいる。

8月1日(日)くもり
 バスの中で寝て、ゆっくり起きる。今日は帰るだけ。
 10:00 ”大菩薩の湯”に寄り、JAフルーツ山梨で開催中の「完熟桃!試食キャンペーン」に参加。メチャ大きい桃を3個試食して、おなかいっぱい。少し傷んで売れない桃でも完熟しているので、メチャおいしい。みんな食べる食べる。もうももはいいって感じ〜そう、この時期はこの周辺の山へ来たいなぁ〜

 久しぶりに東京の山に登り、甲州の味覚も堪能して、
 「全てが無事に終えることができました、ありがとうございました」といろいろ心配してくれた仲間に報告することができた。

大いなる 徳をもらひて 一夏かな
 当初は募集要項掲載の"奥秩父大常木谷"として実技担当を指名されていた。調べれば調べるほど、難しい沢。入渓から会所小屋跡までずっと深い深いゴルジュ続き。逃げる場所はない。まぁ、受講生には計画を提案してイメージトレ−ニングだけでも勉強になると思いながら・・・
 まして関東地方はここ暫く、お昼過ぎるとゲリラ豪雨が続いているという東京の友達からの情報。予報に出ない怖さもあった。今年は梅雨明け後、猛暑続き。全国的、世界的に異常気象。また同じ奥秩父のブドウ沢で三重事故が起きたことも。
 それにせめて4〜5人のパーティならスピーディに行けるかもしれないが、18人というメンバーの多さだけで時間がかかる。

 「与えられたことは自分なりにやってみよう!」とは思ったが、結局はリーダーのできない担当は中途半端であり、あれこれ気を遣う。また、担当のパートナーは次々と代わり、コーチといってもいろいろ。だけど、自分のことのように心配してくれた仲間もいてくれたことに、ホッ!
 やはり、この沢の発案者や決定者で担当していただきたいというのが本音。できるだけ任務分担していかなければならないが、丸投げされても・・・。第一、初級登山学校という学校のカリキュラムで、何故この沢なの?と考えてしまう。
 けれど終わってみて、今まで見えなかったことが見えたことが大きな収穫。私なりにいろいろやってみて、私もひとつ大人になれたかな・・・と終えてみた今はポジティブに思える。そう今は、校長はじめ仲間に感謝!

(2010.8.4.記)

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