菜の花や 太って還る フルマラソン

天孫降臨菜の花ツアー
2009.1.9.〜13.

 もう10回目というK原リーダー主催の伝統ある天孫降臨菜の花ツアーに、やっと初めて参加できるチャンスが巡ってきた。

1月9日(金)くもり時々雨
 17:00 ラッキーなことに、連盟事務所からO倉車、Y崎車に乗せてもらえることになった。もう南港フェリーターミナルでバタバタ走って迷わなくてもいい。ホッ!
 19:20 フェリーの中は連休のためか、スゴイ人。1300円のバイキングに行かれた数人を除き、片隅でささやかに祝杯。22時にはきっちり消灯。

1月10日(土)雪のちくもり
 8:20 宮崎港に着き、南国宮崎の白い袋を被せてある夏みかんや大根干しの田園風景を楽しみながら、だんだん雪景色の霧島へ。
 11:30 えびの高原登山口は銀世界。縦走はやめて韓国岳へのピストンに変更。吹き上げる風に樹氷が見事に咲いている。厚くもなく小さくもなく、ちょうどよい咲き具合。風は相変わらず強いので、休憩とらず写真を撮りながらゆっくり登る。

びっしりと ミヤマキリシマ 雪化粧

 なだらかなハイキング道を登っていくと、半年前の6月にやさしいピンクの花を咲かせていたミヤマキリシマは今、真っ白い絨毯の花を咲かせている。木々の樹氷とは違って、足元一面にびっしり敷き詰めている。同じところへこんなに違う季節に訪れる風情も楽しいもの。霞むグレーの中を、原色のカッパ部隊が小さくなっていく。

 12:30 茶黒い岩が現れ始めたと思ったら、もう韓国岳(1700M)頂上。一瞬、大浪池がガスの合間から見える。
 やはり寒いのですぐ下山。今回も縦走断念。次回は絶対行こう!

 森林の館へ行って、登らなかった人達と合流。韓国岳が雲の間から現れる。右?左?右だって。
 14:00 「まだ早いでぇ〜」と言いながらも、宿へ直行。長い宴となりそう。なぜかみんなニコニコしているけど。
 宿はK原さんの弟さんの会社の保養所をお借りする。かけ流し天然温泉。お布団もコタツもソファーもガスも食器もある普通のりっぱな宿で、マラソン前夜祭を。昨日はK原さんのお誕生日で、デコレーションケーキでお祝い。往復の宮崎フェリーはお誕生日半額割引があるので、12、1、2月生まれの方に感謝!

1月11日(日)くもり 9℃ 湿度45% 風向西南西 風速3.6m(9:00現在)
 5:00 真っ暗い中、鹿児島指宿菜の花マラソンへ。途中コンビニにておにぎり朝食。
 8:00 南国指宿に着いた。この時期に菜の花がホントに満開! 風はかなり強そうだけど、雨は降ってなくてラッキー!
 Y崎車は開聞岳に登る人たちを乗せて登山口まで行かれる。間に合うのかしら?とチョット心配。
 指宿陸上競技場の側の芝生にテント設営。朝からおなかがおかしくてトイレへ直行。やはり今日も寒そうなので、長袖の上に今いただいたばかりのTシャツを着て走ることにする。

 18000人参加という超ビッグな大会は人がうようよいる。M浜さんと前へ前へ、タイム4〜5時間の看板のところへ並ぶ。

なだれゆく マラソンランナー 春浅し
 9:00 花火が上っているけど、もうスタートなのかな? 3分後位にそろそろ動き出す。18000人いるのに割合早く動き出し少しホッとしたけど、前の人を押しそうで怖い。前の人の靴を踏まないように気をつけて走る。もうローソン前でポカリ500mlを一本ずつ配っている。
 なかなか人がまばらにならない。スピードの遅いことよりも自由に走れないことにストレスが積もる。逆に歩くこともできず、流れに沿ってただ走るだけ。
 前の上り坂にはすごい人。やはり18000人。先月の三田マラソンは5000人だったから、3分後に走り出してもすぐまばらになり、こんなストレスはなかった。一番端を走ったり、田んぼに入ったり、上手に追い越している人の後ろについたり・・・

 9:47 5km地点にきているのにまだ自由に走れない。8時間かけて走ればいいから、タイムは気にしないけど、この自由に走れないことへのストレスでイライラ。
 6km位の1時間後位から、やっと自由に走れるようになって、ホッ!
 給水所ではもうバナナとふかしいもが並んでいる。やはり鹿児島なのだからと思って、おいもをいただくとゴホゴホ喉に詰まる。

 10km。ちょっとおかしい。足がスッと動かない。やはり練習不足だな。もうダメ。体が動かない。さっきまでの体が軽くルンルン走っていた感覚から一転、悲壮になる。
 エッ?もしかしてシャリバテ?これがシャリバテ? 初めての感覚。全部出してしまったからな。
 次の給水所でバナナ3切れいただく。大丈夫、これで走れそう。人間の体って単純。
 トイレに行きたくなっているけど、たくさん並んでいるから、その奥のヤブの中で。これも初めての体験。

菜の花や ふところ深く 薩摩富士
 15km。開聞岳(924M)がスゥーと現れる。満開の菜の花に、大うなぎが棲息し、幻の怪獣イッシーの池田湖のバックに開聞岳薩摩富士が見えてきた。とてものびのびした開放感あふれる景色に包まれながら走れてとても爽快。

 20km。豚汁にはたくさん人が並んでいるけど、仕方なく並んでいただく。薄味で大根や豚肉も小さく切って上手に味付けしてある。3回豚汁あったけど、3番目のガス会社の豚汁が一番おいしかった。
 それから、ホント次から次へと食べ物オンパレード。氷砂糖、黒砂糖、梅干、みかん、豆のスープ、小さな餅入りぜんざい、焼いたそらまめ、きんかんの甘煮、きんかん、ミニトマト、手作りよもぎ餅、もちろんチョコレートやキャンディも。せっかくだから全種類いただく。全部一口で食べられるようにしてくれている心遣いがとてもうれしい。たぶん大半はボランティアであろうか。これだけの量の準備はたいへんだったろうな〜 どこにでもバナナとおいもがあって、もうシャリバテしてはいけないと思い、バナナは結局計4〜5本はいただいたかな〜

 開聞岳を過ぎると長崎鼻が現れ、穏やかな田園風景。そして山川港付近、トラックがビュンビュンと飛ばす海沿いの片側車線を走るロードとなっていく。
 いつも誰かと走っている。一人で孤独に走っているという感覚は全くない。ミニスカートの長い金髪の女性?ホントは男性?に、地元の鹿児島放送テレビ局がインタビューしながらカメラを回している。若者でも私と同じスピードで走っているから、なんだか安心。みんな楽しく走っているという雰囲気がほのぼの伝わってくる。
 指宿の町へ帰ってきて、石畳の道はかなり膝に堪える。菜の花の街道が結構長い。グルッと廻って、競技場へ。

南国の 風土うれしや フルマラソン
 5時間04分08秒。またまたワーストタイム更新したけど、とっても楽しい42,195kmでした。フルマラソンをこんなに楽しく走れるって思ってもいなかった。だから「長い」という感覚は全くなかった。木曜日に5km練習しただけだけど、先月三田でハーフ走ったことがよかったのかもしれない。風は強かったけど、移り変わる景色もとてもきれいで目も楽しかった。
 そしてなによりもなによりも、ずっと途切れることなく温かく声援してくれる人達の中を走れる環境に心より感謝!感謝! 奄美もそうだったけど、南国の人は気候風土のせいか、みんな温かい。昨秋地元のマラソン大会で、スタッフとして赤い旗をもって警備したことでいろんなことに目がいくようになり、指宿の人総出で盛りあげていることを、今回は走っている側として感じることもできた。

 ゴールして黄色のタオルと完走証をいただき、テントに帰り着替えして、参加賞のうどん、ぜんざい、おにぎり、ふかしいもをいただいてきた。
 全員完走し、今夜の夜行バスで帰るK原さんと別れて、昨日の宿に戻る。
 宿では、マラソンでもらったおいもがいっぱい。おつまみを節約して買ったのがちょうどgood。
 温泉入浴時、体重量るとプラス1kg。42kmも走ったのに、あれだけ食べたから・・・

1月12日(月・祝)雪のち晴れ
 今朝はどえらい筋肉痛・・・練習しないで走ったバチ・・・
 7:00 同じ鹿児島県でも南国指宿とは違い、霧島の山中はみぞれ。登山口の高千穂河原ビジターセンターまで行ったけど、大粒の雪。高千穂峰登山は諦め、おごそかな霧島神宮を参拝し、いろいろな面で改めて気持ち新たにさせていただいた。

 やはりもう宮崎県青島に向かうことにする。途中、都城道の駅により、青島へ。

息白し 裸まいりの 列に酔う

 今日は成人の日。ちょうど青島裸まいりの行事と出くわし、ラッキー! 20歳の人だけでなく、小さい子も女性も中年男性も100人ほどの塊が青島神宮へ走りゆく。そして鬼の洗濯岩へ入っていく。列からは湯気が立ち上がり熱気ムンムン。ちょっと違う雰囲気の色黒のライフセイバー2人が皆を見守っている。
 青島フェニックス道の駅にも立ち寄り、バナナの花やブーゲンビリアの南国風情を満喫して宮崎港へ。

 19:10 復路のフェリーはなぜか空いていて自由に場所がとれた。残り福のおいももまだまだいっぱい出てくる。最後の夜は熟女4人、アルコールで熟?し、夜更かししてしまった。覚えてる???

1月13日(火)くもり
 7:30 無事大阪南港到着。
 「よく遊ばせてもらったなぁ〜」としみじみK下さん。
 ずっと安全運転していただいたO倉さん、Y崎さんに心より感謝し、たいへんよく遊ばせていただいた色とりどりの3日間でした。

(2009.1.25.記)

home