それぞれの 想い灯して 大文字

毘沙門谷遡行と大文字五山送り火
2008.8.16.

 8月16日、京都大文字五山送り火を、京都在住のH谷川さん、K原さんのご招待で鑑賞できることになった。

8月16日(土)晴れ一時雨
 5:00 前夜からは行けなくて、まだ薄暗い中、車で家を出る。お盆と早朝のため、全く順調に1.5時間位で、京都の"かみはて"に着くことができた。京都に入ると、お寺の門、白壁、それらを覆う緑の景色に包まれ、情緒豊かになっていく。
 7:40 金毘羅山への岩登りが組まれていたが、雨の予報ということで、毘沙門谷遡行に変更。M本リーダー率いる総勢6名で、市バス204から円町でJRバスに乗り換え、竜安寺、仁和寺、高尾、栂ノ尾高山寺を通って、毘沙門橋に着く。

 11:00 バス停から少しだけ林道に入り着替えて、すぐ沢へ下る。木々に囲まれ、倒木の薄暗い中、スゴク厚い苔の岩の中に沢がチョロチョロ流れている。コースタイム90分だから、まぁこんなもん〜。滑りそうで滑らない5mの小さな滝を越えて、幅2mも満たない沢を進んでいく。
 30分も進まないうちに、なんと滝!が現れた。90分の沢だから、どうせショボイ沢じゃない?なんて思っていたけど、非常にりっぱ! 水量もこの沢幅から考えるとかなりあるし、予想もしなかったシャワークライミングになってしまった。
 15m2段、そして最後は20mのりっぱな滝で、ハーケンが滝の真ん中にあるという、頭からのシャワークライミングを楽しめることができた。リードしてくれたKW原さんはまた下りてきて、名残惜しそうに2度も楽しまれていた。
 M本リーダーによると、20年程前は初級で組まれていたコースだそう。90分でもしっかり楽しめる充実した沢登りだった。メチャラッキー!!!金毘羅山はまた行けるけど、ここはもう二度とこないだろう・・・っていうみんなの意見だった。

 90分で遡行を終え、林道に出て、いかにも京都という感じの北山杉の中を、トップは蜘蛛の巣を払いながら、太陽ガンガン受けて歩く。
 沢の池に出ると、静かな水面に青空が映って眩しい。空はもう鰯雲らしき様相になっている。
 帰り道、大きなヤマイグチの鑑賞。でも今回は止めとこ?
 南に下り三宝寺のバス停に出て、往きと逆方向のバスで帰ってきた。やはりポツポツ雨が降り出した。

 15:30 "かみはて"に戻り、近くの温泉へ行くとお休みで、K原さん家のシャワーをお借りし、さっぱりすることができた。K原さん家には、りっぱなサンルームのネコ部屋に人懐っこいネコが4匹。内1匹にはお風呂の棚の上から見張られていた。
 H谷川ビルに戻ると、いつもの仲間が集まっていた。ソーメン、豚肉の燻製、野菜スープはすでに料理されていた。4階の屋上には大きな丸い炭火の釜が用意されていて、H谷川さんが準備してくださったサンマ、焼きソバを作る。
 一応、浴衣を持ってきたけれど、上品に着物を着て、ちょこんと座っていられる状況じゃない。I田さんにうちわであおいでもらいながら、懸命に焼きソバ作り。予定をはるかに超えた人数16人分の準備はたいへんだったようで、H谷川さんは半分パニクッていらっしゃった。

 20:00 ちょうどお食事が一段落した頃、五山送り火の一番、東山如意ヶ嶽の大文字を皮切りに、20:10には松ヶ崎西山・東山の妙法、20:15には大北山の左大文字、西賀茂船山の船形が点火されていった。ここからは残念ながら、鳥居本曼荼羅山の鳥居形は見えなかったが、宵闇に包まれた古都の夜空を荘厳に彩られる送り火は、とても圧巻だった。
 今年はN川さんの初盆で、お精霊は大文字から妙法を唱え、船に乗って、鳥居へ向われたのかしら・・・と感慨深いものとなった。
 心配された雨も夕方ザァ〜と降っただけで、大事な時は上がってくれて、やっぱり私は晴れ女!

 ご近所の方々も集まっていらして、送り火の絶好の展望スポットとなっている?感じ。京都の一大行事がある時は人ばかり多くて、目的地までたどり着けないこともあったので、足がなかなか向かなかった。でも今回、最高のロケーションを作っていただき、そしてみんなでN川さんを送ることができた。いろいろぎょうさん、お心遣いも頂戴し、どうもアリガトさんでございました。おおきに!
 その日は泊まらせてもらい、翌朝、お片づけをして帰ってまいりました。朝いただいた京都のコーヒーも格別においしかった!

(2008.8.22.記)

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