ややこしい 高巻続きの 豆焼沢

初級登山学校・奥秩父滝川豆焼沢
2008.7.25.〜27.

7月25日(金)
 22:00 JR森ノ宮駅前のいつもの駐輪場集合。
「待ちきれんで〜そわそわして〜仕事にならへん〜早退してきたわ〜」
 片手でプシュとやりながら、もう片手にプカプカしているいつもの人達がいた。この時間しか電車なかったから、少し早く来すぎたかな・・・と思っていたのに、先客がいた。私なんか、沢ルック着てきたからギリギリに来たかったのに・・・
 バスのいつもの座席を確保して、暫くの宴の後、就寝。

7月26日(土)くもりのち雨
 目覚めると、見覚えのあるコンビニにより、久しぶりのみとみ道の駅で準備して、なが〜い雁坂トンネルを通って、ヘリポート横の駐車場でバスと別れる。
 ヘリポート横の柵を乗り越え、グングン下ると、豆焼沢が始まった。
 7:20 暫くゴーロが続いて、なんかうっそうとした沢の様相に変わる。岩が黒く光り苔むしているので、余計にそういう趣がある。西側の笛吹川の明るいイメージとは正反対という感じ。
 見上げると、真っ黄色の豆焼橋がかかっていて、頑張って歩いているのに、車の喧騒からなかなか解放されない。ホチの滝にきても、その上にはまた真っ黄色の雁坂大橋。思わず、ゲッ! 
 それでいて、ホチの滝は右岸を高巻く。女性コーチ4人が回収係りになったのが、良し悪し? どっぷり重いザイルをややこしい急斜面を登って、トップへ運ぶ。大勢のせいか、かなりの時間を要す。仕方ないっか・・・
 水量は結構多いので、ホチの滝を過ぎても、次のゴルジュも次も高巻く。スッキリとした沢ではなく、直登できるような滝は現れないことに、少しイライラ・・・

トンネルの 残骸痛し 苔光る

 トンネル工事の残骸?がそのままって感じで、倒木が多い。ますます緑濃く苔・苔・苔に覆われてくる。小さな滝も苔むしているので、しっかり踏みしめて登っていく。

 14:30 心配していた雨が降り始める。沢で雨に会うなんて、初めて!
 15:00 『東京周辺の沢』の表紙にもなっているという4段50mの滝は全然イメージが違い、大小の倒木多く、雨で水量も多く、全く登れる感じではない。右岸を高巻く。滝を見下ろしても倒木が乱雑にあり、滝自体もスッキリ見下ろせない。途中炭焼き小屋跡のようなところを通過し、沢床に降りた。
 16:30 4段24mの滝も左岸を高巻く。大勢ではなく、水量も少なかったら登れる滝だけど。

空と滝 けじめのつかず 夏の雨

 そのうち雨はシトシトではなく、ザァーと降ってきた。高巻いていて下ってみると、沢の水量がドォーと増水していて、鉄砲水のようになりはしないかと、心配の種がヒソヒソ囁く。
 17:30 少し薄暗くなり、焚き火跡のある狭いながらもgoodテンバがあったので、小雨の中、ビバーグ体制に入る。受講生たちは薪を集めて火をつけている。こんな時でも、楽しみは必要だ。火の側は暖かい。木々が覆いかぶさってくれているので、小雨ぐらいは気にならない。
 夜もふけていくと半月が現れて、沢の中でも月明かりで明るい。明日はよくなってくれるかも・・・

7月27日(日)晴れ
 今朝は青空!
 5:35 10mのすだれ滝も滑りやすそう。木漏れ日が反射してとてもきれい!  今日は高巻きなく、自由に登っていける。やはり天候がいいだけで気持ちも違ってくる。
 ラスト、右俣を登って、ヤブコギなくすんなり雁坂峠への登山道に出た。

 9:30 雁坂峠で記念撮影。甲武信ヶ岳には残念ながら雲がかかっていた。
 下りは木漏れ日浴びて気持ちいい道。ラストのアスファルト道1時間はきつかったけど。
 高巻きばかりという印象強かったけど、なんともいえない味のある趣深い沢だった。

(2008.8.22.記)

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