光射す ゴルジュの中の イワタバコ

若狭多田川蛇谷・多田ヶ岳
2007.8.25.

 まだ暗かった4時起きで、朝一番の電車に乗ると、新三田駅へ余裕で8時ちょっと前に着いた。S田さんには昼特切符や格安チケットを買っていただき、思えば遠くへきたもんだ♪という感じ。
 8:00 K原リーダー車と初級受講生K馬車に分乗して出発。朝8時という感じがしないのは私だけ?
 K原車に乗ると、早速グルメの話で、沢登りは前座なの? T歳さんはよくご存知で、三方五湖のうなぎやさん"淡水"は、香ばしい鰻を焼いているとかで、今日の厳密スケジュールが決まってしまった。
 三田から舞鶴若狭自動車道ができている。高速なのにくねくねした道をK原車はビュンビュン飛ばし、小浜まで1時間。あっという間に日本海に出た。
 多田寺を過ぎ、多田川に沿う道のトンネル手前、林道の入り口にはがっしり車止めがあり、ここへ車を置き、着替えをして林道を歩く。
 10:10 各地で最高気温を記録したこの夏は、まだまだ今日もギラギラ日差しで暑い、暑い。だからみんな黙々と歩く。ヘアピンカーブを2度曲がって、やっと蛇谷に入水。
 この沢もかなり荒れているようだ。もうどこへ行ってもこんな感じかな・・・ 川幅も狭いところに倒木も多く、苔もあり、薄暗い感じ。なんか妙な匂いが漂う。
 やがて左右に岩壁が立ってきて、ぬるぬるしているけど、なんとか登れる滝がいくつも現れてくる。赤っぽい岩のゴルジュが続いていく。そんな岩と苔の間から薄紫のイワタバコが健気にぶら下がって咲いている。
 シャッターチャンスを撮りたいとデジカメを出してはみたものの、「エッ?」充電切れ。こんなチョンボは今まではなかったのに、チョンボウイルスに感染していたのがとうとう表面化してきたのかしら?あ〜あ。
 11:00 最初の8mの滝は、お助けシュリンゲ。次の8m滝はM本さんリード。久しぶりに足を広げて登っていかれる御姿を拝見。久しぶりの細かいホールド探しの岩登り、プラス、シャワークライミングに感激!
 11:50 15mチョックストンの滝は、大木の根っこから流れ出ているように見える。右から落石に気をつけて高巻きする。ズルズルなのでザイルに頼りっぱなし。
 滝の上部に出ると、木漏れ日の中、蚊のような蜘蛛がフラフラ飛んでいる。こんなところでなぜかホオズキのような匂い。
 そして、少し開けた様相になったかと思うと、またゴルジュに変わる。でも後半はルート図よりすごく短い感じで沢は終わってしまった。13:00
 落石要注意の急坂をハアハア登り、稜線に出ると、10分程で山頂に着いた。
 13:50 多田ヶ岳(712M)山頂は丸くて2等三角点があり、360度の見晴らし。H野さんからの資料によると、「若狭富士」とも呼ばれているらしい。今日は少し霞んでいて、眼下に若狭湾、左遠くには「本家若狭富士」の青葉山。
 14:10 「さあ、下りるで〜、うなぎは16:00までやから・・・」
 下山はずっと走っていた。杉林の中、ずっこけたりしたけど、あっという間に林道に出て、車まで帰り着いた。15:10
 15:58 時間との競争で、三方五湖"淡水"へ。浜名湖と同じで湾の中で鰻の養殖をしている。口細青鰻という幾分小さめの鰻がホント香ばしく、中身ふっくら焼き上げられていた。冷酒もいただき、ご機嫌!

立ち枯れの 木々を憂ひて 夏過ぐる
 帰りは直接大阪へ帰るK馬車に乗せていただく。
 車窓から見る若狭の山は立ち枯れが多く、心が痛む。酸性雨のせいなのか、大陸からの大気汚染なのか。沢に入っても集中豪雨のせいか、すごく荒れているし、いったいこの地球自体どうなっていくのだろうか?と憂いがよぎる。ここ10年位でガラッと変わったような気もする。温暖化阻止のために私達は小さなことでも・・・と。
 そして、みかた温泉"きららの湯"(600円)に寄って、琵琶湖を一周した形で天王寺に帰ってまいりました。メッチャ濃〜い一日でした。感謝!感謝!です。

(2007.8.31.記)

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