比婆山や 落葉に雨の シンフォニー

紅葉と茸の俳句ing
2005.11.4.〜6.

11月4日(金)晴れ
 昨年、三瓶山へ行った時、みんなで「次は比婆山・・・」って言ってたような記憶がずっとあった。だけど、計画のメールが流れても確実にはわからないし、ドタキャンはしたくないので、グズグズしていた。参加表明をしたのは2日前だったにもかかわらず、K原リーダーは快くOKしてくれた。
 20:30 マイカーで千里中央のライフセンター前で、S田さんとT歳さんを乗せて、三田へ。千里中央までは地道なので気楽なんだけど、吹田から中国自動車道に入る時は、少々ややこしくって、以前I.C.の入口で50M程そろそろバックしたこともあって、ふ・あ・ん・・・
 でも、S田さんの「まかせて」との心強いお言葉で、すんなり入ることができ、ここさえ入ることができれば、後はもう・・・ K原さんが造らせたという三田I.C.からのK原宅への直通道路で、ここもすんなり無事到着。
 21:30 K原さんに運転を代わってもらって、中国自動車道を西へひた走る。
 日付が変わる頃、庄原I.C.から今度はR183からR314を北へ木次線に沿って、ひた走る。ゲッ、メッチャ田舎・・・ ガソリンスタンドあるのかな?「高速で入れておけばよかった・・・」
 やっと見つけたコンビニでT歳さんが手に入れてくれた地図をコピーさせてもらう。デヘ・・・ なんとなく比婆山の麓のような感じのする方向へひた走る。
 道路沿いのトイレのある小さな広場で仮眠。田舎といえども、庄原市。道路沿いなので、振動が・・・

11月5日(土)晴れのち雨
 7:00 ゴソゴソ起き出して、まずガソリンを入れに行く。今回は最も効率よく、そして欲張っていろいろの山を巡りたい下心をリーダーは察知されたのか?、県民の森キャンプ場からのコースはとらずに、比婆山系最高峰の立烏帽子山の麓から、ブナ純林の尾根を歩いて比婆山へ行くコースをとることにした。
 9:00 低気圧が近づいているせいか、青空の中にぼんやりうす雲が広がっている感じがする。立烏帽子山直下に広い駐車場があり、その登山口から池ノ段を左前方に見ながら、立烏帽子山を巻いていく。
 9:30 車で1180Mまで標高を稼いでいるから、ハイキング気分で比婆山との分岐。紅葉はイマイチだけど、なだらかな中国山地の大パロラマが広がっている。左の丘陵は池ノ段、右には比婆山、右奥には吾妻山。
 笹原を過ぎるとグッと急下降。やがてブナ林に囲まれてゆく。樹齢何百年?左右前後にず〜っと続いている。

比婆山のブナ純林(国指定天然記念物)
 100ヘクタールにも及ぶ比婆山のブナ林は、日本海型と太平洋型との両方の要素をあわせ持つものとしては、日本のブナ林の最南限である。その内最大のものは、胸高幹囲3.6m(県下一位)にも達する。

 落ち葉踏み踏みブナ林の中、縦走路をどのぐらい歩いただろうか、「きのこ、きのこ」と思って歩いていると、あれっ・・・みんなどこへ行ったの? まぁいいっか・・・
 ワォ〜! 今夜はきのこづくしになりそう〜 タマキクラゲ、ヒラタケ、クリタケ、ブナハリ・・・みんな、さすが! スゴイ!
 11:00 そんな道草をしながら、比婆山頂(1264M)へ。紅葉には少し遅かったかな? 少しだけ残っているモミジにバックの青空が見え隠れして、そのコントラストがキラキラしてとても美しい。

一礼し 比婆山御陵 神の留守
 比婆山は古事記にも書かれている。山頂の大岩があるあたりが、伊邪那美命(イザナミノミコト)の御陵であると語り継がれていて、比婆山御陵という名もつけられている。御陵の南側には、一対の大きなイチイの木が巨岩を抱いていて、周辺にも7本のイチイの大木があり、古代神域の象徴と崇められている。
 山頂付近はまさにそんな感じで、クマザサやクロモジが茂り、うっそうとした感がある。それだけに大木の間から差し込む陽だまりがありがたい。
 比婆山からタンタラタンと縦走路を北へ進むと、比婆山とは打って変わって、広々として明るい烏帽子山(1225M)に着いた。穏やかな小春日の中、なだらかな山並みが雲の彼方へまだまだ連なっている。たくさんの登山者がお弁当を広げている。条溝石とかいう岩に寄ってから、引き返す。
 比婆山の山麓を巻くコースへ。うっそうとして苔むしていて、水の湧いている音や鳥の囀りを身体いっぱいに浴びながら、ブナ純林の尾根道に戻り、立烏帽子山の急登へ。
 14:00 笹原の茂みの中に立烏帽子山(1299M)の頂上がある。うっかりしていると、見過ごしてしまいそうな・・・
 14:30 『比婆道後帝釈国定公園・広島県』と書かれている看板前で記念撮影。今日は下り坂という予報だけど、太陽はとても眩しい。
 15:00 駐車場に戻り、中国自然歩道で繋がっている竜王山(1255M)にも寄り道して、下山。妙な風が吹いてきて、そろそろかな?
 R314に戻り、県民の森に着く頃には、雨が本格的になってきた。ブナの森の中、常設のテントがたくさん備えられていたが、畳2畳の唯一のロッジをお借りする。この叩きつけるような雨の中だもん、ロッジはありがたい。
 早速、わんさかあるきのこを、泥をおとしてきれいにする。これがかなり時間を要する。手間がかかった分、ありがたいありがたいきのこ鍋をいただく。
 外はどしゃぶりの雨。晩秋のシトシト降るノクターンのような時雨ではなく、大粒の雨がバシャバシャと交響曲を奏でるように、何十にも重なる黄色の落ち葉の絨毯に打ち付けている。明日も雨だな?

11月6日(日)雨のちくもり
 ヤッパ、今日も雨。県民の森を後にして、R314を芸備線に沿って、帝釈峡へ向かう。帝釈から神龍湖にかけて、中国自然歩道がつけられているが、ものすごい雨のため、入口の白雲洞という鍾乳洞だけ見学して、車で回ることにする。神龍湖付近の紅葉は今が真っ盛り・・・真っ赤な紅葉が雨に洗われて、一段と冴え渡っている。
 東城I.C.近くの道の駅で、中華をいただいて、帰路に着く。ずっとK原さんに運転してもらって三田まで。千里中央でお二人を降ろし、それから・・・
 別れてすぐ「忘れものした・・・」のTELをもらって引き返す。これが今回一番難儀だったこと。夕方でみんながビュンビュン飛ばしている中、恐る恐る走って一つ曲がるのを間違えたからもうダメ! 結局引き返すのに、20分もかかってしまった。「ごめんなさい」でした。

(2006.3.22.記)

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