恋心 雪が時間が 降りつもる

比良堂満岳北壁とYMCC鍋開き
2005.1.10.

 ドタサンしかできない最近の状況に"ヌッ!"と忍び寄る"ビビビッ!" 日帰りでYMCCの鍋開き山行に参加することになった。

冬ざれや 始発列車の 灯が走る
 真っ暗闇の中、5:20始発のJRに乗ると、比良駅に7:00過ぎに着いた。日の出は湖東の三上山?あたりから、一筋の光が琵琶湖の湖面に届く頃には数億倍になって、キラキラ輝いていた。朝早く出てきたご褒美をひとついただいた気分・・・ 暖冬?比良駅には雪が残っていなかったが、グレーの空に映る山並みはいつもどおり雪を被っていた。
 8:00過ぎ、チンタラ歩いてイン谷口に着くと、N川さんもF本さん(マルコス)も万全のいでたち。ノコノコ歩いてきた気分が一瞬にしてピシッと・・・ 見上げればいつのまにか、雲ひとつない青空、エッ?ピーカン! これは超マズ〜と、日焼け止めクリームを塗り直す。

雪のせて 木の芽静かに 頬そめて
 暖冬といえども、比良の雪はしっかり積もっている。光に反射して、雪の結晶がキラキラまぶしい。1ルンゼへの足跡はなく、ラッセルが始まる。
 マルコスは力任せにガンガン進んでゆく。「代わりましょうか?」と呼びかけても、「いいです」と。初級の補習のつもりだから?
 N川さんはハンドテストをされている。お正月?に降った雪が30cm下にざらめ雪になって残っている。

大雪の 堂満北壁 突っ立てリ
 取り付きらしきところへきたけど、いつもと全く様相が違う。岩が雪で隠れてしまっている。いつもの木でビレーして、マルコスがリードしていく。正面は雪で隠れているので、左側の雪の被ったルートをとる。
 1ピッチ登り終えても、雪はますます深くなっていて、ルートは全く雪で隠されていた。左側のルンゼに入って、ラッセルで進む。雪は肩以上に深くなり、なかなか前へ進めない。そのうち、ルートを間違った軽装のハイカーが追いついてきて、バテかけているマルコスを追い越し、右の尾根に登っていった。大丈夫なのかな?
 「ここらへんが3ピッチ終了地点かな?」とN川さん。そういえば、一旦グッと下降する岩が見え、トラバース気味にラストの凹角に続くルートらしきところへきた。

群青の 空へのびゆく ラッセル道
 「マルコス、右や〜、右。いや、左かな?左や〜」
とN川さんの指示とおり、素直にそのまま右へ左へと進んでいく。今はがむしゃらなんだろうな・・・ ふっと、YMに入って間もない頃、N川さんやM本ご夫妻、S田さん、A木さんたちと、肩以上の雪の東稜ラッセルした時のことがよぎった。私もあんな頃があったのだろうか?
 時計を見ると、1時近い。タイムアウト。ラストの凹角をこの目で確認して、一応納得だけして、下山開始。最初は真面目に下っていたけど、快適なシリセードできる角度なので、自然とそうなってしまった。一般登山道まで、あっという間。

雪ん中 湯気につつまれ 鍋開き
 イン谷口のテンバに戻り、鍋開き第2弾が始まる。次から次へと、大きな鶏肉、大きな小松菜、お餅にうどんが出てきて、おなかいっぱい、ホクホク顔になってしまった。

遠ざかる 色なき空に 比良暮雪
 比良駅までの道々から、頂上まで行けなかった堂満岳(暮雪山)を何度も振り返った。薄暗いグレーの空にその名のとおり、静かに雪の中へ暮れていった。
 昨日のお昼頃は閉まっていたという比良駅前の茶店は開いていて、N川さんは茶店のおばさんと懐かしそうに話されていた。さっきまで金太郎さんのようにたくましく思えたマルコスは急にオッサン口調になっていた。
 ホカホカ気分で、目もホカホカさせながら、夕暮れのJRでは写メールに写っているギンリョウソウのようなのきのこ?談議をして、YMCC鍋開き山行は終了しました。

2005年 YMCC GOOD LUCK!
 "災"の一年だった2004年が終わり、"災い転じて福となす"2005年へ突入! 何をしても空振りばかりだった2004年を卒業して、2005年は心機一転、残り福をGET!・・・すべては神慮のまま・・・

(2005.1.31.記)

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