またぁ〜台風!!!
「日本列島で台風の影響ないのは九州だけ」とK原リーダーからのメール。2年前、行けなかった谷川岳万太郎谷へ・・・と意気揚々だったのに、今年9個目の台風にあえなく降参。詰めていたザックから、沢靴を出し、埃の被っている登山靴をバタバタ手入れした。
10月8日(金)くもり時々雨
22:00 JR新三田駅集合。なんだけど、スッゴイ人・人・人。台風の影響でダイヤは乱れているし、通勤の満員電車なんて経験ないもんだから、湿気ムンムンで気分おかしいし、道場駅の2つ向こうだけなのに、遠いなぁ〜
結局、30分遅れで出発。K原車にはK原KさんとY崎さん、千里を出発しているK野車にはS田さん、T歳さん、K浪ちゃん。行き先が全く違ってもみんな行くんだ。
10月9日(土)くもり時々小雨
9:30 熊本インターまで700km、ずっとK原さん1人で運転。K野さんも一緒。仮眠もされずに、超人的!!! どうもありがとうございます。
空はどんより、より厚い雲がかかっている西の山々へ向かう。
11:00 阿蘇山は、根子岳、高岳、中岳、杵島岳、烏帽子岳の五岳を中心とする山の総称であり、カルデラ火山として世界一の規模を誇る。北の外輪山から眺めると、寝釈迦の姿をしていて、おへそから煙を出しているように見える。阿蘇山の名前は「火を噴く山」というアイヌ語の「アソオマイ」が語源という説や、日本書紀に書かれている「アソツヒコ」と「アソツヒメ」の二神からという説があるが・・・
阿蘇山登山口の仙粋峡道路に入ってくると、なだらかな草千里が広がり、放牧されている赤牛(肥後牛)に出会う。仙粋峡ロープウェイは休業中。隣の案内所のおばさんが阿蘇山について丁寧な説明をしてくれる。噴煙を上げるタイミングによって、火口西のロープウェイは止まることがあるので注意とのこと。
ポツポツ小雨も降り出し、全く姿を隠していて残念。特産物直売所あぜり庵でだご汁の昼食を終え、あえなく今日のところは退散。
「熊本名物は馬刺し!」とK原Kさんのお母さんからの情報で、あぜり庵で聞いた地元のお肉屋さんへGO! 100g800円の馬肉と馬刺し用の付け醤油も仕入れる。
2300年の歴史のある阿蘇神社に寄って、おみくじをひき、湧き水もいただいて、明日登る祖母山方面へ。
15:00 今日は曇っていて全く見晴らしがきかないけど、祖母、阿蘇、九重の眺めよいというウェストン碑のある三秀台でテント設営。オートキャンプ用の太いパイプの底無しテントをみんなでブツブツ言いながら、30分程かかってやっと完成。雨は降っていないので、いたって快適。
まずは、馬刺し。ン〜、美味美味! これで今回の目的ひとつを達成!
10月10日(日)くもり時々晴れ
今日もまだ空は曇っている。台風はもう過ぎ去ったはずでは???
7:00 五ヶ所高原から祖母山登山口に通じる九州自然歩道という車1台やっと通れる道をヒヤヒヤながらグングン詰める。もうすでに車がいっぱいの北谷登山口の駐車場に着く。(800M)
7:45 久しぶりのハイキングバージョンに身を包み、クマザサを露払いしながら、薄暗い登山道を登っていく。雨上がりの湿気ですぐに大汗タラタラ。
大きな岩が重なり合っている風穴を過ぎた頃、倒木にオレンジ色のマスタケ! 以前、救助隊交流でいただいたマスタケよりかなり小さいが、ホクホク観賞。整備されているとはいえない、誰にも会わない静かな山道の高度を上げ、尾根道に出る。一面ガスの白い靄の中に、紅葉だけがちらほら。
9:45 祖母山(1756M)には神武天皇の祖母豊玉姫が祀られている。ずっとガスに包まれ、見晴らし全くなく、残念。10:20
10:40 北への神原(こうばる)コースの稜線を下ると、ポカッと一面草原の国見峠に着く。振り返り見上げると、頭だけガスに包まれた祖母山が現れてくれ、足元には小さなウメバチソウが数輪。
神原コースを離れ、ゆるやかに下ると、宮崎、熊本、大分の三県が一緒になる茶屋場、そしてススキがなびく千間平を過ぎ、造林地をジグザグに下って駐車場に帰る。ほとんどの人はこちらのコースを選ぶようだ。11:55
ポツポツまた小雨が降り出し、車は高千穂峡へと走る。ちょうど今、この大崩山群の最南の比叡山で中級登山学校の修了山行が行なわれている。たおやかな草原をもっている阿蘇山とは正反対な、深い渓谷や岩肌をもつ大崩山群の、そしてきれいな三角峰といわれる祖母山の遠望を期待したが、全くその全容に出会わないままで別れることになった。
高千穂渓谷をまたぐアーチ橋をグルグル上り、今度は遊歩道までグングン下り、渓谷散策。先月の台風の鉄砲水で、鉄製の欄干がえぐりとられるようにあちこち壊れている。五ヶ瀬川が阿蘇溶岩を侵食して生まれた柱状節理から、滝が流れているところへのボートは2時間待ち。天孫降臨の際、天村雲命(あまのむらくものみこと)が天の水種を天真名井に移し、高千穂峡に湧水するといわれているごとく、暗い渓谷にちょうど光が射してきて、まぶしく輝いていた。
いつのまにか太陽サンサンと天高く馬肥ゆる秋に変わっていた。高千穂温泉に寄って、再度阿蘇方面に向かう。
草山に 馬放ちけり 秋の空 漱石
阿蘇山の外輪山に近づくと、秋の夕日が一面に広がる草千里浜を照らしている。逆光でのなだらかな烏帽子岳から中岳、そして岩稜の根子岳のシルエットが、とてもまぶしい。
つるべ落としの夕暮れになって、阿蘇神社で再度湧き水をいただき、仙粋峡の噴火避難壕が今夜のお宿。買出しでバターを買ってもらって、ルンルン、マスタケを調理。
「ゲッ、マズッ・・・」
「なんで〜?」
帰って、きのこ図鑑を見てみると、「若いうちが花」とはっきりきっぱり書かれてあったのだ。「若いうちのお勉強」とケラケラ笑っておこう!
10月11日(月)くもりのち晴れ
6:05 登りたい組(2人)と気が進まない組(4人)と絶対登らない組(2人)とに別れたけど、6人が阿蘇山周遊へ。
けなげにまだ花開いているミヤマキリシマの小さな群落の中、溶岩の遊歩道を登っていく。ロッククライミングの鷲ヶ峰への分岐、鷲見平には遭難碑やケルンが立っている。その遭難碑に一句添えられてあった。
"焼酎の 玉汗ぬらす 鷲ヶ峰"
なにも見えないガスの中、溶岩の岩稜をペンキに従ってえんえんと登る。
7:35 やっと高岳への火口壁に出た。
「あっ、ブロッケン!」
東からかすかな光が射し、我々の影を西側の霧の中におぼろげに映す。そして、その丸い輪を二重三重の円虹が囲んでいる。まさに"御来迎" 昨日からの天孫降臨的な思いから阿弥陀様が自分を迎えにきたように感じて、感心!感銘!感動!
高岳(1592M)は阿蘇山の最高峰で、全く吹きっさらしの山頂。なだらかな馬の背の道が中岳(1506M)へと続く。熊の足跡?と思えるような砂千里の道を下ると、硫黄の匂いとともに、噴煙を上げる阿蘇の火口が眼下に広がった。
「わぁ〜!」
壮大な火口から今も絶えず噴煙が上っているという、この山の息づかいをこの身に感じて、目を奪われてしまった。
火口壁を回り、仙粋峡へのコンクリートの急坂をえんえんと下ると、待ちわびているK野さんとY崎さんが迎えてくれた。9:10
朝夕に 虹との遭遇 目もさめる
車は熊本インターから九州自動車道へ。青空が空一面に広がって、夏のような日差しの中、関門海峡めかりPAでは、壇ノ浦を見学して、うにふぐ丼御膳をいただく。そして今度は東の空に二重三重に重なる夕虹を見て、今日一日の時の流れを感じて帰ってまいりました。ずっと運転してくださった、K原さん、K野さん、どうもありがとうございました。
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