7月14日(月)
関西空港~モスクワ・シェレメチョボ空港~モスクワ・ホテル(泊)
7月15日(火)
モスクワ・ホテル~モスクワ・ヴヌコヴォ空港~ミネラリネア・ヴォディー空港~(車)アザウ・ロッジ(泊)
7月16日(水)
アザウ~2800Mトレッキング~アザウ(泊)
7月17日(木)
アザウ~チゲット山(3761M)~アザウ(泊)
7月18日(金)
アザウ(ロープウェイ、リフト)~ガラバシ小屋(3800M)~11番小屋(4200M)~アザウ(泊)
7月19日(土)
アザウ(ロープウェイ、リフト)~ガラバシ小屋(泊)
7月20日(日)
ガラバシ小屋~パストホフロック(4800M)~ガラバシ小屋(泊)
7月21日(月)
ガラバシ小屋(雪上車)~パストホフロック~エルブルース(5642M)~ガラバシ小屋(泊)
7月22日(火)
ガラバシ小屋(リフト、ロープウェイ)~アザウ(泊)
7月23日(水)
アザウ~周辺きのこハイク~アザウ(泊)
7月24日(木)
アザウ~ナルザンハイク~アザウ(泊)
7月25日(金)
アザウ~ミネラリネア・ヴォディー空港~モスクワ・ヴヌコヴォ空港~モスクワ市内観光~
モスクワ・シェレメチョボ空港~関西空港
7月26日(土)
関西空港着
7月20日(日)晴れのちくもり
3800Mの朝はかなり冷えるだろうなと思っていたけど、全く・・・
外は朝焼け、トイレへ行く雪道も凍てていない。
そして、エルブルースがはっきり見える。
7:00 パンをサンドイッチにして食べる。行動食としてチョコレートとビスケットを用意していただく。
8:00 アイゼンを装着して準備していると、今日サミットに向かったパーティの中で心筋梗塞になった人が出て、
ガイドさんがスノーモービルでレスキューに向かう。すぐスノーモービルで引き返してきて、難なきを得る。
8:20 20分遅れで出発。羽毛服着ないで歩く。雪道車の跡を歩いていく。横山さんトップで歩いていく。
9:30 4200M。真左に11番小屋が見える。一昨日より20分も早いペース。右側の少し隠れたところでトイレット。
4400Mあたりから、風強くガスが出てきて、エルブルースが隠れてしまう。
頭痛などは全く感じなかったが、横山さんのペースに少しイライラ。
12:30 パストホフロック(4800M)。風強く、滝上さんが出してくれたツエルトに5人入って行動食を摂る。
ツエルト一枚がありがたい。
13:00 高度順応のため、30分はじっとしていてから出発。下りはみんな早い。ガイドさんを追い越して走るように下る。
15:30 ガラバシ小屋へ戻り、振り返るとエルブルースにかかっていた雲は切れていた。
明日もいいお天気になりますように・・・
7月21日(月)晴れ
あまり眠れなかった。水分を取って排尿努力のためか、みんなもそんな感じだった。
でも、合計して3時間ぐらいは眠れたかなと思う。
1:30 食堂へ行って、朝食。あまり食べない方がいいらしいので、控えめにしておく。
チョコレートとビスケット、リンゴを行動食として用意してくれてあった。
2:00 今日も全く冷えていない。こんな標高でこんな時間なのに、温かく感じる。
星空がとても大きい。西の空には北斗七星が寝そべって、カシオペアが北極星を抱くようにキラキラしている。
東の空には三日月がボャ~と浮かんでいる。エッ、やな予感・・・
2:10 真っ暗の中、アイゼン装着してスノーケットに乗る。
ラッキーなことに、「two women」とスノーケットの助手席に乗せていただく。
スノーケットは真っ暗の中、夜空に向かってガァーとすごい音をたてて、突進猛進していく感じ。
2:40 4700M地点でスノーケットを降り、2人のガイドさんに囲まれてジグザグに登っていく。
真っ暗の中、デコランの灯りを頼りに、ただただジグザグに、ガイドさんはエッジをきかせて登っているので、
少しマネしてみるが、あまり慣れていないので自然と自分流にまた戻ってしまう。
5:00 東の空がモノゲンロードに染まってきた。
紫がブルーに水色にオレンジにピンクに、七変化のように虹色を時間差で装うように変わっていった。
太陽はエルブルースの裾野に阻まれて、なかなか顔を出してくれなかったが、それだけに雪面を彩る脚色は素晴らしかった。
一時間に1本位は休憩してくれるのかと思っていたが、排尿しなければ・・・という思いで休憩をとってもらう。
何もない雪原のようなところなので、河上さんの陰を貸していただいて、結局、登りでは2回のトイレのみだった。
約5000M地点。ジグザグ登りが終わり、サドルへのトラバースと変わっていく。
シャリバテのような感覚に襲われて、ポケットよりチョコレートを出すが、うまく指が動かない。
高度障害なのだろうか・・・
約5200M地点。トップを行く横山さんの後ろを歩かせてもらう。
ん~、なんとなく横山さんのペースがわかり、そのペースに自分の歩調を合わせていくと、
ゆっくりだけれど、10cmずつだけれど、足が前へ動いてくれる。この調子なら行けるような気がする。
9:00 東峰と西峰のサドル(5300M)。太陽が燦々と照っている。
高度障害でしんどいけど、日焼け止めクリームをしっかり塗る。
「オイオイ・・・」と横山さんに冷やかされてしまった。
このコルからはエルブルースの北側ヘトラバース気味に回り込んで西峰へ登っていく。
「自分のペースで歩け・・・」と滝上さんがおっしゃってくれて、ホッとする。
10:00 5400M地点。ガイドさんがGPSを見て、「あと200Mだから」と励ましてくれる。
雪原のような傾斜の緩い登りだけど、前を行く横山さんの赤いザックと赤いスパッツに金色の小さな星がチラチラしてきた。
「完全な高度障害にかかっている」「腹式呼吸、腹式呼吸」と自分で意識して登る。
11:10 エルブルース(5642M)登頂。
なんとか仲間達のおかげで頂上に立つことができた。
感謝、感謝、ただただ心より感謝・・・
記念写真を撮って、次々に登ってくるパーティに頂上を譲る。
振り返ると、すごい青空の中にエルブルースが鎮座していた。
地球は丸いんだと地平線を見下ろし、目の前にあるスケールの大きさに圧倒されていた。
11:30 下山。延々、とてつもなく長い長い下りが続く。
でも、標高が下がってゆくと、高度障害も消え、食欲が出てきて困ってしまった。
16:30 無事、ガラバシ小屋に戻ると、待ち受けている人達の拍手を受けた。
「みなさん、どうもありがとうございました」
夜半、雪ではなく、雨がスコールのように降っていた。
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