遠富士の 八合目まで 梅雨霞

高度順応トレーニング山行・富士山
2003.6.23.〜25.

6月23日(月)くもり
 YMCCミーティング学習会において"雷の発生と避難方法"というテーマを担当することになった。気象関係の本にはあまり説明がなく、インターネットで検索して調べ、簡単なレジメを作ってみた。難しいことはわからないし、できないし、「こんなもんでまぁいいっか・・・」の雷談議が終わってから、みんなは丹波屋へ、私だけ富士山へ。
 21:30 T上リーダー、S藤さん、I井さん、K上さんと私のヨーロッパ遠征組は高度順応トレーニングのため、I井さんのトヨタビスタ車で出発。すでに雨が降り出し、少々憂鬱・・・ S藤さんは元プロドライバーで富士山5合目までずっと運転してくださった。私はずっと寝ていたみたいで、頭少し痛いなぁと感じたのは5合目まで車で上がっていたせいだった。

6月24日(火)霧雨
 早朝5時前、富士スバルライン終点の5合目に到着し、7時まで仮眠。乗用車なので横にはなれなかったが、かなり眠れた。細かい霧雨が降っているが、富士山が途中までおぼろげに現れている。T上さんが持参された10万円のマルスオキシメーターという洗濯バサミのような器械に指を入れて血中酸素と脈拍を測る。5合目で92%と92拍。
 8:00 5合目2300M。私の高度計と表示高度とドンピシャリ。吉田口を経て登山道へ。赤黒い砂礫の幅広いジグザグの道が続く。すぐ隣ではブルトーザーがガーガーと下山道を作っている。
 10:35 7合目2800M。血中酸素87%、脈拍122。だんだん血中酸素は少なくなってきた。富士一館の山小屋では7月1日の山開きに向けてトントン、カンカン準備が進められていた。溶岩のデコボコ道になっていく。
 12:40 8合目3200M。血中酸素81%、脈拍113。「風の富士山」というが、風はあまりなく、雨がだんだん本格的に降ってくる。白雲荘の山小屋では"食べる酸素1,000円"だって。「へぇ〜」
 15:00 山頂浅間神社3720M。登山道には残雪は全くない。空気が薄くなってきていると意識しすぎなのか、なんだかしんどい気分。以前登った時はそんなこと全然感じなかったのに・・・
 「こんなんで、大丈夫かなぁ?」とみんなの前で弱音を吐いてしまったら、
 「なに言っているんや」とT上さんからまたお目玉。
 お鉢の周囲は風が強いので少しお鉢の中に下って、雪渓の少し残っている金明水近くにテント設営。夜半には風が出てくるだろうから、大きな石でしっかりテントを固定する。
 夕食のお鍋ができても、今回は高度障害を案じてか、みなさんプシュはなし。一人隅っこでいただく。高度障害なんて全く感じずに食欲旺盛。「よかった、よかった」とホッ。農協米1人1つずつ持ってきたのに、T上さんは5人で3つと指示されるから、少し物足りなくて行動食のパンをほおばる。
 雨は降り続いていても、一昨日は夏至だったのでまだまだ明るい。ビショビショの服を乾かしながら、毎年ヨーロッパへ行ってらっしゃるベテランの方のお話に耳を傾ける。中級同期生のK枝さんからいろいろメールをいただいたりして情報を得ると、だんだん「行くんだ」という気持ちがやっとこさ生まれてきて、ソワソワ半面ドキドキしている自分がいる。

6月25日(水)風雨
 真夜中、テントのフライが飛びそうとT上さんは直してくださった。が、早朝ビュンビュンとものすごい風が吹き出し、もう寝てなんかいられない。フライも外れて雨がボトボト入ってきて、起き出す。テント内で準備して、風でポールが折れないように注意してテント撤収。
 5:10 風に押されながらお鉢を後にする。血中酸素79%、脈拍107。ただただ下るのみ。今日はすごい雨風なので、小屋準備のトントン、カンカンも聞こえない。でもこんな中、ビニールのカッパのみの外国人数パーティがニコニコしながら登っていく。大丈夫なのかな?
 8:10 5合目2300Mへ戻り、まだ開店していない土産店の軒下をお借りして、温かいコーヒーにホッ。ボトボトのザックやカッパを整理して着替え、落ち着いて朝食の玉子雑炊をいただく。こんな雨の中でもそろそろ土産店は開店しだした。観光バスがくるのだろう。近くの温泉を尋ね、溶岩温泉を紹介される。
 9:20 その溶岩温泉で温まり、中央道経由で順調に帰路に着く。(全交通費8,300円)西へ向かうほどお天気は回復していった。

(2003.6.30.記)

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