3月20日(木)晴れ
22:30 JR森之宮集合。連盟の集合は遅い時間なのでかなり助かる。大型バスに山スキーグループとともに乗車。
3月21日(金)快晴
8:15 テレキャビンの発車をイライラしながら待つ。切符を買うのにまたまた団体割引の計算にイライラし、T上校長は「時間がもったいない」と怒り出すしぃ〜。
9:00 やっとこさ受講生8名とコーチ8名が雪面まぶしい、スキーヤーまぶしい中を歩き出す。連休の快晴の中、他のパーティも多く数珠繋ぎで登っていく。地蔵の頭、中遠見、大遠見と目指す山を見ながら歩いていくのはすごく気持ちいいものだ。やがて、白岳、五竜岳も現れ、右に唐松岳から白馬三山、左に鹿島槍ヶ岳も現れた。
12:30 大遠見のなだらかな台地の風除けのできるところに雪を踏み固めてテント設営。
13:30 今日はお天気もよいので、雪洞作りへ。一人用の雪洞なので、できるだけ効率よくと頭の中で設計しながら掘っていくが、本格的にお部屋作りになると援助隊3名に大部分助けられて完成。途中ミルクティー休憩をしたが、終了したのは15:30。
私のテントはY山さんとY本さんとN谷さんの4人で、夕食はY山さんのキムチ明太子焼きうどん。重い材料と思いながら美味美味。他の会の方々とご一緒するのはこれが名利。
17:00頃、ずっと開局されていたY本さんの無線から、「JK3YBUこちらM本です」と聞こえてきた。少し早口で緊張した声だった。思わず「なにかあったのか」と顔を見合わせた。応答すると、「鹿島槍北壁登攀中、表層雪崩で50M程流されたが3人全員無事です」との返答。ホッ、よかった、よかった。
20:00 月明かりの中、独り雪洞へ。ツェルトを貸してもらっても、月明かりが射しているのでかなり明るい。寒くはないが、心細くてなかなか寝つかれない。でも雪洞ビバーグの時は独りじゃないから・・・さ。。。
3月22日(土)くもり
3:00 目覚ましで起こされたのだから眠っていたのだろう。熟睡という気分ではないが・・・
5:10 夜明け前の朧月を見上げて、出発。やがてオレンジ色に空を染めて太陽が昇ってきた。朝焼けは〇〇の前兆・・・ でも行く手の白岳、五竜岳は薄いグレー色の空に白い姿を見せている。5年前の中級修了山行のG0ルートもよく見える。あの時はただついて行くだけで必死だったし、頂上付近はガスっていて見えなかったからよくわからなかったけど・・・
8:25 白岳(2541M)に立つと、剣立山連峰が見渡せる。雲はかかっていない。もしかしたら・・・
9:00 五竜山荘から五竜岳へ。曇ってはいるが、風も全くなく快適に歩ける。ガレ場のトラバースにT上さんは2度ザイルセット。鎖場をよじ登ってリッジに出ると、五竜岳頂上(2814M)に到着。10:35
10:50 また同じ個所にザイルセットして下る。夏道よりかなり上部のルートをとる。5年前には五竜のトラバース、トラバースの想像だけで頭から離れない時期があったが、3度目にしてやっと無事歩くことができた。
12:50 五竜山荘より白岳を越えて、皆思い思いに滑落停止の練習をしながらテントへ戻る。皆の日頃の心掛けがよかったのか?午後より下り坂の天気予報も外れてくれたラッキーな一日だった。
14:50 テントキーパーから「ゆっくりだったのね」とのご挨拶を受けた。
昨夜雪洞泊りを経験したのでもう今夜はテントでゆっくり・・・ マイ洋風鍋をつっつきながら、Y山さんの海外遠征の話を聞かせてもらう。この山行はこの夏のヨーロッパ遠征のトレーニングも兼ねているから。
今夜は星空が明るい。冬の大三角形や大六角形の中にオリオンやおうし座、そしてプレアデス星団まで確認できるとなんだかうれしくなってくる。あっ、流れ星・・・かと思ったら、飛行機のよう・・・ 偵察機なのかしら? ロマンチックな気分が急にこの地球の反対側の出来事への愁いに変わってしまった。
3月23日(日)快晴
コテチンと熟睡だった。雑炊の朝食をゆっくりとって、出発。
8:00 やはり春だねぇ〜。もうアイゼンも装着せずに下る。春霞かな?黄砂かな?まっさか中東の砂嵐?こんなに快晴なのに、1月には富士山が望めたのに、八ヶ岳の彼方は霞んでいる。太陽がサンサンと照ってきて暑い、暑い。
「無駄な抵抗じゃない?返って逆パンダじゃないの?」と言われても、意固地になって、こまめに日焼け止めを塗って、サングラスと目出帽をかぶって・・・
10:00 テレキャビン付近もまだまだ雪が多く、スキーヤーやボーダー達が快適に滑っている。いささか妙な我々であるが、みんなで歩けば怖くないとテレキャビンに乗って下る。
すでにバスが待っていてくれて、栂池へ入浴と食事。山スキーグループを乗せて、連休のためかなりの渋滞に巻き込まれたが、無事帰宅できた。T上校長はじめ、仲間達、たいへんお疲れさまでした。
春愁や この空越えて 幸あれと
下界の新聞は大きな見出しに覆われていた。あんなにきれいな星空の向こうの出来事を憂いながらも、夢をもち可能性に挑戦できる立場に感謝し、巡ってきたチャンスを生かしてゆこう。そして、翌24日初級夏山登山学校の開校式が行なわれた。
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