本チャンで 痛みも不安も リハビリし

雪彦山と播州の沢
2002.8.16.〜18.

8月16日(金)晴れ
 20:30 千里中央集合。エッ、車で千里中央なんて行ったことがないけど、お盆だし、渋滞はないだろう、大阪市内のスピード狂のところを通らずに行けるし、チャレンジしてみよう。18:00過ぎに家を出て、バッチグー!19:50に到着。エッヘン、今日は冴えている。雪彦山もこの調子でいけるかな?
 今回のメンバーは、M本リーダー、I垣夫婦、Mツ川さんと私の5人で車2台で出発。中国道池田ICへ入るのに、ミスしてバックなんてしてしまったが、なんとか中国道福崎ICから夢前町、雪彦山の鹿野神社近くの広場でテント設営できた。
 23:00 天の川に見守られて、我々だけがローソクの灯と共に一献かたむけていて、久しぶりに贅沢な一夜を送る。

8月17日(土)晴れ
 6:00 許可なくテント設営しているので、素早く撤収。後で聞いた話だが、このあたりでテントを張っていると、木刀を振り回しに来るらしい。そういえば、中級の実技も救助訓練も雪彦山へは来なくなった。いつも夜遅くにバタバタと迷惑かけているのだろうか。
 7:00 展望台の近くに車を止めて、登山道から苔いっぱいの沢を登って三峰東稜取付きへ。
 8:00 M本、I垣茂、Mツ川とU田、I垣啓子のパーティ編成。M本さんはクレッターを忘れたので足首にスポンジをはさんでスニーカーで登っていかれる。ルート図通りA1で。なんとMツ川さんは本チャンでアブミに初挑戦。ムー、パワフル・・・
 9:00 1P 今年中級に行っているI垣啓子さんにビレイしてもらって、リードする。最初のハングの左をアブミで乗っ越し、ルート図ではまた左に回りこむのだが、M本さんはスニーカーで右に行かれたようなので、私も挑戦してみる。かなり時間を要したがミシンを踏む状態になってしまって、「ピンクのザイル、テンションかけるよ」とI垣さんにビレイしてもらい、やはり左にトラバースしてリッジを登る。ややこしいことをしてしまって、申し訳なかった。(30M・A1)
 2P ハングを左に回りこみ、フェース、右の凹角を登り、ブッシュでビレイ。(40M)
 3P ハーケン頼りに左にルートをとって、終了。(30M)12:00
 20Mと50Mの懸垂下降をして、地蔵岳東稜へ取り付く。岩からチョロチョロ流れている水をいただき、ホッと一息。
 13:40 1P スラブをルンルンと登る。(30M)
 2P またまたスラブを直上して大テラスでビレイ。(30M)そこから枯れ木のテラスまでI垣さんにリードしてもらう。
 3P 両手で突っ張ることはできないので、A0で乗っ越し、壮快なスラブを登る。(50M)
 4P まさに馬の背という岩を遭難碑に手を合わせて登る。(40M)コンテで10M。
 5P ラストピッチ。エッこんなフェースだったっけ・・・ ブチブチ、ウロウロしながら、ガバを探して登頂。(30M)16:10
 I垣啓子さんには確実にビレイしていただいた。私はすごく苦労して登っているのに、いつもスイスイと登ってくる。
 地蔵岳頂上から播州の山々を見回す。昨夜の広場も見える。台風の余波のような風が気持ち酔い?気持ち良い。 薄暗い下山道を、途中沢で手を浸し、30分程で車道に出た。
 車に戻って、一口潤し、今夜のテンバを探しに行く。公民館の管理人さんはお留守で、オートキャンプ場(一人500円)の申し込みをする。雪彦温泉(600円)で一汗流して、閉店直後のスーパーでシャッターを開けてもらって、買出し。
 有料のキャンプ場だとア・ン・シ・ン。それぞれの夕食をいただく。I垣さんのナスのごま油炒めニューメンは美味だったね。

8月18日(日)晴れ
 6:00 今日はM本さん、Mツ川さんと私の3人は峰山高原の小田原川掛ヶ谷へ沢登り。播但道に出て宮野という村に入り、お寺の駐車場に車を置かせてもらう。
 8:40 林道をつめると杉林が続く。
 9:00 暗くて苔むした沢だなぁ・・・あまり水もきれいじゃないし・・・と思いながら登っていくと、ナメ滝がサラサラと流れ、一ノ滝が現れた。水量が多いので右を巻いていく。
 10:00 幽谷めいたイメージの中、二段20Mの二ノ滝が。こんな小さな沢にしては(あら失礼)とても素晴らしい滝だ。
 もう終了点かなという沢の流れになってきて、ルート図通り滝はあるのかしらと思っていたら、ゴォーと二段30Mの豪快な三ノ滝が現れた。M本さんは「水量が少なかったら、直登できるのに」とおっしゃるが・・・ 左を巻いて滝のすぐ上に出て、30Mの滝を恐る恐る覗き込み、10Mのナメ滝を直登。
 10:50 沢が小さくなってきたので、山道に出てもう少し上の池を見に行く。
 11:10 池は人口のため池みたいで水はきたないはずだ。でも、三つの滝は秘境を見つけたような満足感があった。
 12:10 山道を下り駐車場に戻って、お疲れさまの乾杯をする。濡れた衣服を乾かしながら、昨夜の残りの「hona.hiyayakko」をいただく。
 最近の話題はギャルっぽく、Iモード。「○○.kerakera」と名付け親との交信記録紹介・・・
「只今宴会中。乳白色の沢登り終了。ご機嫌よく乾杯してま〜す」
「了解。こちらは昨日開聞岳、池田湖イッシー捜索。只今霧島高千穂の峰登山口です。秋か来年の初級にいいかもしれない。なお昨日は休肝日、今日は飲みます」
「窮肝日 本音をいえば 休肝日 M本作」
「窮肝日?財布の肝臓?休感日」
「たらちねの さいふかついて そのあまり おもきにわらえ さんぽあゆんた」?以上
 14:30 台風前の静かな山行を終えて、心身共に爽快でご機嫌よく、いつのまにか積乱雲から巻積雲に変わった空を見上げて、大阪に帰ってきたのでありました。

雪彦や 岩に横たふ 天の川
 2ヶ月ぶりの岩登り。胸部の打撲の痛みはほとんど感じなくなったが、右手首の痛みだけは残っていたので、M本さんに「リードできるよね」と言われた時は核心で力が入らなかったらどうしよう、トレーニングもしていないし、と不安だった。
 2ルート登って帰ってきた時は手首がビンビンし、沢登りは無理しないでおこうと思った。でも家に帰ってくると、行く前よりはかなり痛みが引いているような気がした。以前、M本さんから「負荷を掛けた翌日は痛みが戻るが、翌々日はグッとよくなるから、負荷をかけながらリハビリしていく積極性がいいみたい」ってアドバイスいただいたことを身体そのもので感じることができて、すごくうれしい気分だった。

(2002.8.21記)



返歌
天仰ぐ みそはぎ花の かたわらに
うつむく稲穂と 盆の語らい

 お盆に母の実家に行った。目的はミョウガをもらうこと。裏の畑に根茎があるから毎年自然とツクツク顔を出しているのだ。日頃の世話も要らないから「好きなだけ持って帰り」と言ってくれる。ミョウガを食べるとバカになるという言い伝えがあって、のろまな人という表現もあるらしいが、欲張ってドサッとスーパーの袋に入れた。
 日陰の暗いところから明るいところに視線をやると目がチカチカする。今年は酷暑で雨も少なく畑のナスやキュウリもダイエットしてヨガ体操をしている。でも、大きな台風が来ないから稲は順調のようだ。
「盆が過ぎたら新米を持っていくよ」とうれしそうに話してくれる。田んぼのあぜ道に濃いピンクのスッーとした花が咲いている。
「あー、みそはぎやん」と従姉が教えてくれた。「みそはぎ?」どこかで聞いた名前だなぁ・・・ そうだ、O川さんの歌に出てきた花だ。
 これがみそはぎ・・・お盆に供える花。今年は祖母の13回忌だった。年忌の年は気をつけろと云われている。もう半分過ぎたけど、どうだったかな・・・と振り返ってみる。いろいろあったけど、なんとか元気だよとおばあちゃんに、これから収穫していただくお米に手を合わせてみた。

新米の 其一粒の 光かな 高浜虚子

(2002.8.23記)

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